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東日本大震災

震災時、医薬品卸の現場の使命感が過酷な状況の病院を支えていた

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2018年3月9日(金)11時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ 広告制作チーム

震災時、過酷な状況にあった病院に医薬品卸企業社員が医薬品を届けた

2011年3月11日に発生した東日本大震災から7年が経つ。当時、インフラが寸断され物資が不足する被災地の患者たちのために、医薬品卸各社の社員たちが高い使命感を持って医療現場へ確実に薬を届けたことはあまり知られていない。

過去の有事対応で得た貴重な教訓を風化させないためにも、改めて震災当時の事例を振り返りつつ、こうした日本独自の医薬品流通の強みを探っていきたい。

東日本大震災という未曾有の災害に対応した医薬品卸の現場

東北で事業展開する医薬品卸企業にとっても、東日本大震災は"想定外"ではあった。それでも、日頃から地域に根ざし医療現場を熟知していたこと、社員たちの高い使命感と熱意があったからこそ、経験したことのない困難にも立ち向かうことができた。

ある企業の石巻支店では、震度5以上の地震が起きたら得意先に駆けつけ状況確認すると取り決めていたことから、病院から求められた輸液や抗生剤などを津波が来る前に届けることができた。津波が来て道路が冠水した後には、徒歩で胸まで水につかりながら薬を病院に届けた社員もいたし、被災した医療機器会社に代わって透析膜200人分を病院に届けるため、東北自動車道で緊急車両認定を受け、物流センターまで取りに行く社員もいたという。

忘れてならないのは、東北で事業展開する医薬品卸企業で働くこうした社員たちの多くも、自身や家族が被災し、生活基盤を揺るがされ、放射能の不安と闘っていたことだ。厳しい状況下でも高い使命感を持って臨んだ彼らの尽力がなければ、必要な医薬品が医療機関に届かず、患者たちの生命が危険にさらされていたであろうことは想像に難くない。震災時、医療品流通はまさに"ライフライン"として頼もしく機能していたのだ。

日本の医薬品卸が持つ総合機能とは

病院や薬局で受け取る医療用医薬品は、日本ではほぼ全てを医薬品卸が日々配送を行っており、この存在がなければ必要な医薬品を入手することができない。厚生労働省が2011年7月にまとめた報告書『東日本大震災対応録――経緯と教訓――』では、医薬品の搬送に関して、医薬品卸大手の多くは全国に物流網を展開し、「地場の卸でもこれら全国展開事業者との協力関係があるため、このネットワークを介して、医薬品を供給することが、一番迅速で、確実である」と指摘している。

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