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レアアース禁輸拡大で墓穴掘った中国

2010年10月21日(木)17時39分
ダニエル・ドレズナー(米タフツ大学フレッチャー法律外交大学院教授)

 さらに重要なのは、経済的影響力の行使に対する中国の考え方が、他の国々の政府にも影響を及ぼしているということだ。もし中国の経済外交のやり方に対し、少なからぬ数の国々が自国と中国との相互依存度を下げるべく同じような手段で対抗したらどうだろう。中国が今「お手本」として示そうとしている通り「地政学が経済に勝つ」事態を招くことになるだろう。

 もうひとつの可能性は世界の国々が中国を締め出してかつてのココム(対共産圏輸出調整委員会)のような枠組みを作り、あからさまな経済ブロックの創設を推進するというものだ。

 そうなれば中国政府にとっては最悪の事態になるはずだ。たしかに中国は経済成長を続けている。だが経済に対する影響力という意味で言えば、市場志向のビジネスを好む国々の勢力のほうがはるかに大きい。

 短期的な利益を追うあまり、中国は長期的な封じ込め政策を招きいれつつある。そうすることで国内ではある程度の求心力を維持できるかもしれないが、経済には大きな損失をもたらすことになるだろう。

Reprinted with permission from Daniel W. Drezner's blog, 21/10/2010. © 2010 by The Washington Post Company.

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