状況を考慮し、通常よりも重い最大9年の実刑判決が下る可能性がある REUTERS/Brittany Hosea-Small
<カリフォルニア州北部で9月下旬、今年最悪レベルの山林火災が発生。発火装置を所持した容疑者の身柄が確保され、放火説が濃厚に>
米カリフォルニア州北部、豊かな自然と野生生物に囲まれたレディングの郊外で9月22日、大規模な森林火災が発生した。高気温、乾燥、強風という条件を受けて火は勢いを増し、およそ34平方キロメートルが焼失した。
カリフォルニア州森林保護防火局(カルファイア)など1800名の作業員が消火活動にあたり、12日ほどを経ておおかた鎮火している。一時は2000棟を超える建物への延焼が懸念される事態となり、カリフォルニア州知事が現地シャスタ郡を対象に非常事態を宣言した。米NBCは延焼中の9月28日、「同州で今年最も破壊的な火災のひとつになりつつある」と報じた。
この火災について、出火原因が熱波による自然出火ではなく、放火によるものだった可能性が浮上している。カルファイアは10月1日、同州パロアルト在住の30歳女性が放火行為を行なった疑いがあると発表した。女性は勾留・起訴されている。
本件の出火日当日、現地企業の従業員が不審な行動を目撃していた。ワシントン・ポスト紙によると9月22日、レディング北部の石切場付近で木々が燃えているのが目撃され、調査のためカルファイア職員が現場に駆けつけた。
石切場の労働者に聞き取りを実施したところ、出火当日の朝9時ごろに場内に白人女性が不法に侵入し、不審な行動をしていたとの証言を得た。私有地に立ち入っている旨を現場監督が警告したが、女性は無視したという。女性はCO2カートリッジと乾電池を投棄して立ち去った。カルファイア職員が女性を捜索したものの、その時点では発見に至っていない。
当日夜になると付近で再び火の手が上がり、後にフォーン・ファイアと名付けられる大規模な森林火災に発展する。現場でカルファイアが消火活動にあたったが、消火活動中の職員らに助けを求めた人物がいた。日中に不審行動が目撃されていた、問題の女性だ。サンフランシスコ・クロニクル紙は、彼女が脱水症状を訴えていたと報じている。
体調に問題がないことをカルファイア職員が確認し、女性の身柄は応援に駆けつけた警官に引き渡された。警察がポケットとショルダーバッグを検査したところ、ライター、圧縮CO2のカートリッジ、および白いケースが発見された。ケースについて女性は、電池を抜いて作った「発火装置」だと説明している。ケース内からは「葉からできた緑色の薬物」が確認された。女性は薬物を当日使用したと認めている。