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情報BOX:イランによるホルムズ海峡通航料徴収は可能か

2026年04月08日(水)09時15分

ホルムズ海峡を示す地図。3月23日撮影。REUTERS/Dado Ruvic

[7日 ロ‌イター] - イランは米・イスラエルとの停戦条件の1つとして、‌現在事実上封鎖しているホルムズ海峡を開放する代わりに、海峡を通る船舶か​ら「通航料」を徴収したいと考えている。

ホルムズ海峡はイラン、オマーン両国沿岸の間にあり、その幅はわずか34キロ。世界に供給される石油の約20%と、肥料などそ⁠の他の重要物資が行き交う海上交通の要衝だ。

◎イラ​ンの提案

イランは恒久的な和平合意において、ホルムズ海峡を通る船舶に通航料を要求できる権利が盛り込まれることを望んでいる、とあるイラン政府高官がロイターに語った。

高官の話では、通航料は船舶や積み荷の種類、その他細かな条件によって異なるが、その具体的な内容は明らかにされていない。

イランのガリババディ外務次官は先週、ホルムズ海峡を通航する船舶に許可証の申請を義務付ける制度の試案を⁠オマーンとともに策定していると述べ、これは海峡の通航を制限するのではなく促進する意図があると説明した。

オマーンはイランとの間で、海峡の円滑な通航を確保する選択肢について協議中だと認めたが、何らかの合意⁠に達したかど​うかには言及していない。

◎これまでの経緯

イラン革命防衛隊が戦争開始直後にホルムズ海峡を事実上封鎖して以来、ごく少数の船舶が海峡を通過した。

通過に際して200万ドルの支払いが少なくとも1回行われたと報道されているものの、ロイターは確認できなかった。

◎他国はイランの通航料制度を受け入れるか

複数の海運業界幹部は、現代になってから国際海峡を通過する際に一方的に通航料を要求する動きは前例がないと述べた。

トランプ米大統領は6日、ホルムズ海峡の自由な通航はイランとの和平合意に含まれなければならないと発言している。

特に懸念を持っているのは、エネルギー輸出をホ⁠ルムズ海峡に頼っているペルシャ湾岸諸国だ。

アラブ首長国連邦(UAE)は、いかなる国もホルムズ海峡‌を人質にしてはならず、自由な航行は和平合意の一部であるべきだと表明。カタール外務省は、地域の全ての国はホルムズ海峡を⁠自由に使用す⁠る権利を有しており、将来の資金的なメカニズムを議論するのは、海峡を再開した後にする必要があると訴えた。

◎イランは国際社会の反対を押し切って通航料を課すか

既に米国とイスラエルが数週間にわたってイランを攻撃しても態度を変えない以上、ホルムズ海峡の自由な通航を国際社会がイランに強制するのは難しい。

海峡の開放を続けるための軍事行動は、内陸奥深くからの船舶攻撃を行う態勢が十分に整っているイラン軍を対象とする、山が多‌い沿岸地帯における長期間の地上作戦になる公算が大きい。

国際社会の中では、イランとなお強固な関係があり、ホ​ルムズ海‌峡経由のエネルギー輸入量が世界最大の中国⁠が、より大きな影響力を行使できる可能性がある。

◎国際法上​の見解は

国連海洋法条約(UNCLOS、国際海洋法を包括的に規定する国際条約)は、さまざまな海峡に接する諸国は通航料を要求してはならないと定めている。

水先案内やタグ、港湾サービスといった特殊役務については船舶に限定的な料金を課すことは可能だが、特定国の船舶からより高額の料金を徴収することは認められていない。

◎国際海域における料金徴収例

人工運河は海峡と扱いが異なる。エジプトとパナマはそれぞれ、スエズ運河とパナマ運河の通航料を徴収している。

黒海と地中海を‌つなぐトルコ海峡(ボスポラス海峡、マルマラ海、ダーダネルス海峡)は1936年のモントルー条約によって管理され、同条約は平時における商船の自由通航を保障している。

また同条約は、トルコが提供する各種サービスの費用​を賄う目的で標準化された料金を徴収することは認めているものの、一⁠般的な通航料を課すことは許していない。

シンガポールは、シンガポール海峡における通航料は課していない。

◎他の海峡のリスクは

ホルムズ海峡ほど狭く、重要かつ緊張をはらんだ海峡はそれほど多くない。

イエメンの親イラン武装組織フーシ派は、紅海とインド洋をつなぐバベルマンデブ海​峡を通航する船舶を断続的に妨害してきた。ただ距離は長くなるとはいえ、代替ルートが存在する。

インド洋と南シナ海を往来する船舶は、シンガポール海峡やマラッカ海峡が封鎖された場合、代替ルートを見つけ出せるが、現時点でそうした封鎖を示唆する脅威は見当たらない。

大西洋と地中海をつなぐジブラルタル海峡や、大西洋とバルト海をつなぐエーレスンド海峡も、今のところ通航が脅かされる恐れはない。

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