ニュース速報
ワールド

アングル:緊迫のホルムズ海峡、インドLPG船は別航路で通過 海軍が護衛

2026年04月01日(水)18時39分

写真は虫眼鏡とホルムズ海峡の地図。3月26日撮影。REUTERS/Dado Ruvic

Saurabh Sharma

[ニ‌ューデリー 31日 ロイター] - 米国とイスラエル‌が2月28日にイランを攻撃する前日、インド船籍のLPGタンカ​ー「パイン・ガス」は、1週間ほどでインドに帰港する見込みで、アラブ首長国連邦(UAE)のルワ⁠イス港で荷を積み込んでい​た。

しかしその後、イランが要衝ホルムズ海峡で通航を選別的に許可するようになり、同船が同海峡を無事に通過できたのは、それからおよそ3週間後のことだった。

パイン・ガスの一等航海士ソーハン・ラル氏によると、待機中に27人のインド人乗組員は⁠毎日、ミサイルやドローン(無人機)が頭上を飛び交うのを目撃した。ロイターが確認した動画では、少なくとも5発の飛翔⁠体が夜空​を横切る様子が映っている。

ラル氏によると、インド当局は3月11日ごろの出航に備えるよう乗組員に通知していた。しかし戦闘が激化したため、航行許可が下りたのは23日になってからで、しかもホルムズ海峡の通常の航路ではなかった。

イランの革命防衛隊はパイン・ガスに対し、イラン本土近くのララク島北側の狭い水路を航行する⁠よう指示した。ラル氏によると、インド当局とムンバ‌イの船主セブン・アイランズ・シッピングは、全乗組員の同意が得られた場⁠合にのみ⁠航行を進めることで合意し、乗組員全員が同意した。革命防衛隊は通常ルートには機雷が敷設されているとして、ララク島ルートの航行を指示したという。

ラル氏によると、ホルムズ海峡通過中はインド海軍がパイン・ガスを誘導し、その後、オマーン湾‌からアラビア海にかけては約20時間にわたってインドの軍艦4隻が護​衛に‌あたった。ホルムズ海峡の⁠通過に料金は支払っておら​ず、革命防衛隊がパイン・ガスに乗り込むことは一度もなかった。

インド海軍はその後、インド船籍の船舶を護衛していることを確認した。インド外務省は今月、インド海軍がインドおよび他国の船舶の航路安全確保のため、数年前からオマーン湾とアラビア海に展開している‌と発表した。

<LPGが不足するインド>

インドはLPGを海上輸入に依存している。LPGは国内では調理用燃料として一般的に使われている。

4万5000トンのLPGを搭載したパイン​・ガスは、当初は西海岸のマンガロール⁠港で荷揚げする予定だった。しかしインド当局は、東海岸のヴィシャーカパトナム港とハルディア港で半量ずつ荷揚げするよう指示した。

イランは、中国、ロシ​ア、インド、イラク、パキスタンなど「友好国」に対し、ホルムズ海峡の通航を許可していると述べている。

インド船6隻がすでに同海峡を通過した一方、約485人のインド人船員を乗せたインド船籍の船舶18隻が依然としてペルシャ湾内にとどまっている。

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英3月製造業PMI低下、中東紛争でコスト急上昇

ワールド

ドンバス撤退でロシア期限通告、ウクライナは「早く決

ビジネス

独主要経済研究所、26・27年成長予測を下方修正 

ワールド

アベノミクスは「かなりの成果」、利上げ方針の論評は
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 3
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 4
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 5
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 6
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 7
    北京に代わる新都市構想は絵に描いた餅のまま...大幅…
  • 8
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 9
    「え、なんで?」フライト中に操縦席の窓が覆われて…
  • 10
    韓国・週4.5日労働制が問いかけるもの ──「月曜病」解…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 7
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中