アフガン作戦巡るトランプ氏発言に反発 欧州同盟国、関係悪化の恐れ
米ホワイトハウスの執務室で、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長と会談するトランプ大統領。2025年10月撮影。REUTERS/Kevin Lamarque/File Photo
[ロンドン 23日 ロイター] - トランプ米大統領が北大西洋条約機構(NATO)を巡り、同盟国がアフガニスタン作戦で「最前線から少し離れた所」に留まっていたと示唆した発言に対し、欧州の退役軍人や政府関係者からは23日、「NATO軍の軽視」などと反発する声が相次いだ。トランプ氏がデンマーク自治領グリーンランド領有への意欲を示して欧州の同盟国との緊張が高まる中、関係が一段と悪化する恐れがある。
トランプ氏は22日にFOXニュースで発言し、米国がNATOを「必要としたことは一度もない」とも述べた。NATOの条約に基づき、ある加盟国への攻撃は全加盟国への攻撃とみなされる。2001年9月の米同時多発テロ後の1回のみ発動され、欧州の同盟国は米主導のアフガニスタン作戦に参加。米国防総省によると、米国はアフガニスタンで約2460人の兵士を失った。英国からは15万人以上が派遣され、457人が死亡。カナダは150人以上、フランスは90人が死亡。デンマークは44人の兵士を失い、1人当たりの死亡率はNATO加盟国で最も高かった。
アフガニスタンとイラクで従軍したポーランドのロマン・ポルコ氏はロイターのインタビューで「同盟のため、まさに自らの命を犠牲にした」とし、トランプ氏が「一線を越えた」と指摘。アリステア・カーンズ英退役軍人担当相は、自らもアフガニスタンを含めて従軍経験があり、「共に血と汗と涙を流した。全員が帰国できたわけではない」と交流サイト(SNS)に投稿。トランプ氏の主張は「まったくばかげている」と評した。英退役大佐のスチュワート・トゥートル氏はNATOへの出資不足への批判には同意するものの、トランプ氏の不正確で不当な発言には全く共感できないとして、謝罪を求めた。
英首相官邸は、トランプ氏が「NATO軍の役割を軽視したのは誤り」と批判。英国の対外情報機関、秘密情報部(MI6)長官を務めたリチャード・ムーア氏は、危険な環境下で米中央情報局(CIA)と協力して、米国と連携したことを誇りに思っていると発言した。ポーランドのコシニャクカミシュ国防相は、犠牲は「決して忘れられることはなく、軽視されてはならない」と述べた。一部の政治家は、トランプ氏がベトナム戦争の徴兵を回避したことを指摘した。





