ロヒンギャ乗せた船の沈没、少なくとも21人の遺体発見

2025年11月10日、マレーシアのランカウイ島で、迫害を受けているミャンマーのロヒンギャ族の人々を乗せた船がタイとマレーシアの国境付近の海域で沈没、警察官が犠牲者の遺体を運び出している。REUTERS/Hasnoor Hussain

[ランカウイ（マレーシア） １０日 ロイター] - ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャが乗った船舶１隻が６日にマレーシア沖で沈没し、別の１隻が行方不明になったことを受けてマレーシア海事当局の巡視船が１０日、アンダマン海の沿岸海域で捜索した。

海事当局の地域責任者ロムリ・ムスタファ氏は記者団に対し、沈没後に少なくとも２１人の遺体が発見されたことを明らかにした。うち１２人はマレーシアで、９人は隣国のタイで発見された。一方、１３人が救出された。

救命胴衣がない場合には、多くの人にとって２４時間生き延びるのも困難だとされる。ただ、浮遊物にしがみついた生存者がいる可能性もあるため、捜索活動を継続するとして「気象条件はあまり良くないが、とにかく最善を尽くしている」と説明した。

ロヒンギャ族は主にイスラム教徒で、仏教徒が大多数を占めるミャンマーで長年迫害されてきた。亡命先の隣国バングラデシュの難民キャンプでは約１３０万人が暮らしているが、状況が悪化している。

捜索活動の中心地であるマレーシア北部ランカウイ島の警察署のカイルル・アズハル・ヌルディン署長によると、２週間前に数百人のロヒンギャ族がマレーシア行きの船に乗り込み、６日に２隻の船舶に移された。

マレーシア当局によると、うち約７０人を乗せていた小型船がランカウイ島沖で６日に沈没し、約２３０人を乗せたもう１隻は行方不明のままとなっている。