ニュース速報
ワールド

決定済みのPB目標破棄せず、来年6月に新指標を検討=高市首相

2025年11月10日(月)10時19分

米マサチューセッツ州ボストンのマサチューセッツ州議事堂前で行われた「SNAPのための集会」でプラカードを掲げる男性。2025年10月撮影(2025年 ロイター/ブライアン・スナイダー)

Leah Douglas

[ワシントン 9日 ロイター] - 米農務省は、低所得者向けの食料購入補助制度「補完的栄養支援プログラム(SNAP、旧称フードスタンプ)」11月分を全額支給するために各州が講じた措置を撤回するように命令し、従わない場合は財政的制裁を科すと警告した。連邦最高裁が7日、トランプ政権(共和党)が政府閉鎖期間中にSNAPの11月分支給額を約40億ドル減額することを一時的に認めたことを受けた措置。

9日で過去最長の40日目になった政府機関閉鎖を受け、こうした給付の仕組みが始まってからの60年間で初めて今月上旬に失効した。

農務省は最高裁決定の数時間前に各州に送った覚書では、東部ロードアイランド州の連邦地方裁判所が6日にSNAPの11月分を7日までに全額支給するよう命じたのに従うべく調整中であると通知していた。これを受けて複数の州はSNAPの全額支給に向けて手続きに乗り出していた。

一方でトランプ政権はこの判決を不服として控訴。最高裁で地裁の判断が覆されたため、、農務省は8日夜に「各州は11月分のSNAP給付を全額支給するために講じた措置を直ちに撤回しなければならない」と命令し、「本通知に従わない場合、農務省は州の行政経費に対する連邦政府負担分の取り消しや、順守しないことによる過剰支給分の州への責任追及を含めたさまざまな措置を講じる可能性がある」と警告した。

一部の州はこれまでに、州の資金で11月のSNAP給付を賄う意向を示している。今回の通知で警告した財政的制裁がそれらの州の措置にも適用されるのかどうかは今のところ分かっていない。農務省に追加のコメントを要請したものの、応じなかった。

SNAPの受給者に全額を給付すると7日に発表した州のうち、ともに知事が野党民主党の東部マサチューセッツ州とニュージャージー州は農務省の指針を強く批判した。

マサチューセッツ州のモーラ・ヒーリー知事は「トランプ氏が、米国民を飢餓から守る州を罰したいのであれば法廷で対決しよう」と反発した。

ニュージャージー州知事室の報道担当者も「政府機関閉鎖中に米国民を飢えさせようする米政府の共和党員の決意は恥ずべきものだ」と指弾。その上で「この不必要かつ前例のない問題が公正な解決に至り、SNAPや他の失効したプログラムに対する連邦政府の資金援助が再開されることを願っている」とコメントした。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

午前の日経平均は反発、ハイテク株買い戻し 米政府再

ワールド

COP30、米国による妨害を懸念=各国代表

ワールド

イーライリリーの減量治療薬、10月のインド医薬品売

ワールド

中国の駐大阪総領事投稿に強く抗議、適切な対応要求=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 2
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 9
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 10
    「豊尻」施術を無資格で行っていた「お尻レディ」に1…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中