ニュース速報

ワールド

中国前首相の寄稿にも検閲、共産党創立100年控えネット統制強化

2021年04月20日(火)19時11分

 中国の温家宝前首相(写真)がマカオの週刊紙に寄せた追悼文を巡り、国内のインターネット各社がユーザーによるシェアを阻止していることが分かった。写真は2013年3月に北京で開催された全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で撮影(2021年 ロイター/Jason Lee)

[北京 20日 ロイター] - 中国の温家宝前首相がマカオの週刊紙に寄せた追悼文を巡り、国内のインターネット各社がユーザーによるシェアを阻止していることが分かった。共産党の幹部党員に対する検閲行為として波紋が広がっている。

このほど亡くなった母親への思いをつづった文章が掲載されたのは発行部数が多くない「マカオ導報」。16日付で掲載され、翌日には中国の対話アプリ「微信(ウィーチャット)」の公開アカウントに投稿されたものの、すぐに制限がかかった。

文章は日中戦争や文化大革命など中国の激動期における母親の苦闘に触れ、「私の考えでは、中国は公正と正義に満ちあふれ、人々の意思、人道、人の本質が常に尊重される国であるべき」との文言があった。ただ、現在の中国の政治環境に直接触れているわけではない。

中国共産党は7月の党創立100年を控え、このところインターネット上での歴史を巡る議論に対する統制を強めようとしている。

ユーザーが温氏の文章をシェアしようとすると、コンテンツがウィーチャットの規則に反しているとの通知が表示され、シェアができなくなる。これは中国では完全に記事が排除される一段階前の検閲措置。今のところ温氏の文章のどの部分が制限に抵触したのか不明だ。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドイツ銀、28年にROE13%超目標 中期経営計画

ビジネス

米建設支出、8月は前月比0.2%増 7月から予想外

ビジネス

カナダCPI、10月は前年比+2.2%に鈍化 ガソ

ワールド

EU、ウクライナ支援で3案提示 欧州委員長「組み合
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 7
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 8
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 9
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 10
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中