ニュース速報

ワールド

豪賃金、第2四半期は前期比+0.2%で過去最低の伸び 封鎖の影響反映

2020年08月12日(水)13時16分

 8月12日、豪連邦統計局が発表した第2・四半期の賃金価格指数は、季節調整済みの前期比で0.2%上昇と、市場予想の0.3%上昇を下回り、1997年の統計開始以来の低い伸びにとどまった。写真はオーストラリアで2016年10月撮影(2020年 ロイター/Aaron Bunch)

[シドニー 12日 ロイター] - 豪連邦統計局が12日発表した第2・四半期の賃金価格指数は、季節調整済みの前期比で0.2%上昇と、市場予想の0.3%上昇を下回り、1997年の統計開始以来の低い伸びにとどまった。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で消費者信頼感や企業景況感が冷え込む中、家計の購買力に一段の痛手となる。

賃金価格指数は、前年同期比の上昇率も1.8%と、これまで標準的と考えられてきた水準を大きく下回り、統計開始以来の低い伸びとなった。

第1・四半期の賃金価格指数は前期比で0.5%上昇していた。

連邦統計局の幹部は、今回の統計で新型コロナに伴う封鎖措置の影響が初めて完全に反映されたと指摘。「企業幹部や高賃金の職業の多くで、賃金が大幅に下がったことが、民間賃金低下の主因だ」と述べた。

BISオックスフォード・エコノミクスのチーフエコノミスト、サラ・ハンター氏は「雇用の崩壊と不況を踏まえれば、賃金の伸びは今後、非常に低い水準にとどまる公算が大きい」と指摘。

同国の州政府は、厳しい財政状況を受けて、賃金を凍結する方針をすでに示している。

インフレ率も低迷しているため、豪準備銀行(RBA)は緩和的な金融政策スタンスを維持するとみられている。

メルボルン研究所とウェストパック銀行が公表した8月の消費者信頼感指数は前月比9.5%低下した。ビクトリア州で新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて厳しいロックダウン(封鎖措置)が導入される中、大きく落ち込んだ。

ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)が発表した7月の豪企業信頼感指数は、国内で2番目に人口の多いビクトリア州が新型コロナウイルスの感染第2波に直面していることから大幅な低下となった。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

マネタリーベース、11月は8.5%減 貸出支援オペ

ビジネス

日銀には賃金上昇伴った2%目標実現に向け適切な金融

ワールド

11月の米LNG輸出、過去最高更新 気温低下や好調

ビジネス

米感謝祭後3日間のオンライン売上高236億ドル、景
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 2
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カニの漁獲量」が多い県は?
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    600人超死亡、400万人超が被災...東南アジアの豪雨の…
  • 9
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批…
  • 10
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中