ニュース速報

ワールド

仏新首相にカステックス氏、マクロン大統領再選見据え立て直し

2020年07月04日(土)05時36分

 7月3日、マクロン仏大統領の内閣改造を前にフィリップ首相が辞任した。パリのエリゼ宮で6月29日、代表撮影(2020年 ロイター)

[パリ 3日 ロイター] - フランスで3日、フィリップ首相率いる内閣が総辞職した。2022年の再選出馬が見込まれるマクロン大統領は政権を立て直し、有権者の信頼回復を目指す。

マクロン大統領は後任の首相にサルコジ元大統領に近い官僚出身のジャン・カステックス氏を任命した。カステックス氏は55歳。中道右派で、新型コロナウイルス感染拡大抑制策の緩和を指揮した。

カステックス氏は「経済危機はすでに到来している」とした上で、「発展を最優先課題に掲げ、そのための協力方法を確立していく必要がある。国が一丸となってこの危機に立ち向かっていかねばならない」と訴えた。

大統領府の声明によると、新たな内閣が発足するまでフィリップ首相率いる内閣が職務を継続。ルメール経済・財務相が続投するか注目されている。

マクロン大統領による内閣改造の動きは、大統領率いる与党が6月28日の統一地方選で大敗を喫したことを受けたもの。複数の側近によると、次の大統領選挙までわずか21カ月となる中、マクロン大統領は態勢立て直しを図りたい考え。

リスク・コンサルティング会社テネオのアントニオ・バローゾ氏は、カステックス氏の任命について「無名の官僚を起用することで、今後の政策運営を完全に掌握したいというマクロン氏の思惑がうかがえる」と分析した。

複数の政治アナリストによると、マクロン大統領よりも人気があるフィリップ首相を交代させるのは大統領にとって賭けとなる。首相は一連の混乱期に確固たる忠誠を示していたほか、2022年に大統領選のライバルとして浮上する可能性がある。

ただ、マクロン氏の側近らによると、同氏とフィリップ氏の関係は円満だという。フィリップ氏は今後、マクロン氏の支持率回復に協力するとみられている。ある政府幹部は「マクロン氏に対するフィリップ氏の忠誠心が損なわれたわけではない」と強調した。

*情報を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日銀の情報発信、利上げ判断につながる変化 円安を警

ワールド

米感謝祭休暇の航空需要が縮小、政府閉鎖が影響

ワールド

NZ中銀が0.25%利下げ、景気認識改善 緩和終了

ワールド

アングル:ケネディ暗殺文書「押収」の舞台裏、国家情
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中