ニュース速報

ワールド

中ロ、対イラン武器禁輸延長に反対なら国連で孤立=米特別代表

2020年06月25日(木)14時46分

 6月24日、米国務省のイラン担当特別代表ブライアン・フック氏(写真)は23日夜、ロイターのインタビューで、国連安全保障理事会の対イラン武器禁輸の延長をロシアと中国が阻止すれば、両国は国連で孤立するとけん制した。写真は浙江省で2017年12月撮影(2020年 ロイター/Aly Song)

[ニューヨーク/ワシントン 24日 ロイター] - 米国務省のイラン担当特別代表ブライアン・フック氏は23日夜、ロイターのインタビューで、国連安全保障理事会の対イラン武器禁輸の延長をロシアと中国が阻止すれば、両国は国連で孤立するとけん制した。

2015年のイラン核合意に基づき、同国に対する武器禁輸措置が10月で解除される。安保理で拒否権を持つロシアと中国は延長に反対する考えを示唆している。

フック氏とクラフト米国連大使は24日、安保理理事国に対し禁輸を延長する米決議案を支持するよう訴えた。

フック氏はロイターに「ロシア・中国と国際社会の間の溝が深くなっている」と指摘。先週の国際原子力機関(IAEA)理事会で、ロシアと中国はイランに査察受け入れを求める決議に反対し「孤立した」とし、両国が「ディストピアへの道」を進み続けるなら安保理でも孤立すると述べた。

「禁輸はイランによる全ての武器取引を防いだわけではないが、イランの動きを制限する上で効果があった」と主張。「禁輸の延長は正しいことであり必要だ。全安保理理事国は明言するかどうかは別としてそれを理解している」との認識を示した。

これに対し中国の外交官は「米国の決議案は実質的に(イランに)最大の圧力をかける政策の継続であり、協議する価値はなくたたき台にならない」との見方を示し「採択される可能性はない」と言明した。

米国は安保理がイランへの武器禁輸を延長しなければ、イラン核合意に基づき国連の対イラン制裁を全面的に復活させる手続きを取ると主張している。そうなれば核合意は崩壊する公算が大きい。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタルインフラ投資企業「デジタ

ビジネス

ネットフリックスのワーナー買収、ハリウッドの労組が

ワールド

米、B型肝炎ワクチンの出生時接種推奨を撤回 ケネデ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 5
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 6
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 7
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 8
    三船敏郎から岡田准一へ――「デスゲーム」にまで宿る…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中