ニュース速報

ワールド

ゴーン被告がレバノンへ、日本の司法制度を非難

2019年12月31日(火)23時24分

[パリ/東京 31日 ロイター] - 会社法違反(特別背任)などで起訴され保釈中の日産自動車<7201.T>前会長カルロス・ゴーン被告が31日、声明を発表し、レバノンにいることを確認した。「不正に操作された」日本の司法制度の「人質」にはならないと表明した。

ゴーン被告は声明で「私は今レバノンにいる。有罪が前提で、差別がまん延し、基本的人権が認められない、不正に操作された日本の司法制度の人質にはもうならない」と語った。

また「私は不正と政治的迫害から逃れたのであって、正義から逃れたのではない。ようやくメディアと自由にコミュニケーションが取れるようになった」などと述べた。

ゴーン被告はフランス、ブラジル、レバノンの国籍を有している。どのようにして日本を出国できたのかは不明。被告は保釈の際、海外渡航禁止などが条件となっており、保釈中は当局の厳しい監視下にあったほか、パスポートは弁護士に預けていた。

NHKによると、出入国在留管理庁にはゴーン被告が出国した記録はない。NHKはまた、レバノンの治安当局者の話として、ゴーン被告に似た人物が別名で、プライベートジェット機でベイルートの国際空港に到着したと報じた。

ゴーン被告の弁護を担当する弘中惇一郎弁護士は、NHKが中継した記者団の取材で、被告のパスポート3冊は弁護団が現在も保管していると述べた。また、ゴーン被告の出国は31日朝のニュースで初めて知り、非常に驚いているとコメントした。

日本の法務省によると、レバノンは日本と犯罪者引渡条約を結んでおらず、ゴーン被告の身柄が日本に引き渡される可能性は低い。

フランスのパニエ・リュナシェ経済副大臣は仏ラジオ局に対し、ゴーン被告が日本を出てレバノン入りしたというニュースに「非常に驚いている」と述べ、メディアを通じて知ったと明らかにした。また、法を超越する者はいないが、フランス国民としてゴーン被告は領事支援を受けられるとした。

日産の広報担当者はコメントを控えた。在日レバノン大使館は「何の情報も得ていなかった」とした。ブラジル大使館からのコメントは得られていない。

英紙フィナンシャル・タイムズは30日、ゴーン被告は外出を禁じられていなかったとし、被告の側近の情報として、 29日夜にベイルートのラフィク・ハリリ国際空港に到着したと伝えた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、複数の関係筋の話として、ゴーン被告が日本を出国し、トルコ経由でレバノンに30日到着したと報じた。被告は公正な裁判を受けられないと確信し「業界や政治の人質として捕らわれることに嫌気が差した」とのある関係者の話を紹介した。ゴーン被告は数日中にレバノンで会見を開く予定という。

ある関係筋は、ロイターに対し「(ゴーン被告は)裁判で検察と戦うのをあきらめたのだと思う」と語った。

国内メディアは31日夜、ゴーン被告が許可を得ずに海外に渡航したとして、東京地検が同被告の保釈の取り消しを裁判所に請求したと報じた。NHKによると、これを受けて東京地裁は保釈の取り消しを決定した。今後、保釈金15億円は没収される見通しで、仮にゴーン被告が帰国した場合は身柄を拘束され、拘置所に勾留されることになるという。

*保釈の取り消し決定に関する情報を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

マクロスコープ:FRB議長、ウォーシュ氏なら「市場

ワールド

中国、ウイスキー輸入関税を5%に引き下げ 2月2日

ワールド

米仲介の次回和平協議、ゼレンスキー氏「日程変わる可

ワールド

ガザ人道危機報告、バイデン政権高官に届かず 米大使
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 7
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 8
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 9
    配達ライダーを飲み込んだ深さ20メートルの穴 日本…
  • 10
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 8
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 9
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中