ニュース速報

ワールド

情報BOX:トランプ大統領の一般教書演説で注目される銘柄

2018年01月31日(水)09時45分

 1月29日、トランプ米大統領(写真)が30日に行う初めての一般教書演説で、注目されるセクターや銘柄をまとめた。ホワイトハウスで撮影(2018年 ロイター/Jonathan Ernst)

[29日 ロイター] - トランプ米大統領は30日、初めての一般教書演説に臨む。テレビ中継される演説は、株式投資家を含む幅広い層が視聴する見込み。予想される演説内容から注目されるセクターや銘柄は以下の通り。

<インフラ>

トランプ大統領はインフラ再建計画について説明すると予想されている。大統領は24日、今後10年間のインフラ投資規模を約1兆7000億ドルに引き上げる計画を発表した。

大統領の発言を受け、グラナイト・コンストラクションやAECOM、フルアーなどの建設・エンジニアリング株や、バルカン・マテリアルズ、マーティン・マリエッタ・マテリアルズ、イーグル・マテリアルズなどの建材株、キャタピラーなどの重機株が脚光を浴びそうだ。

一般教書演説をきっかけに財政支出法案を巡る波乱含みの審議が始まれば、インフラ関連株が変動し始める可能性がある。ただ投資家やアナリストの間では、連邦政府の財政支出がどのように決着するにせよ、インフラ関連株には追い風が吹いているとの見方もある。

<通商>

大統領はスイスで先週開かれた世界経済フォーラム(ダボス会議)で唱えた「米国第一主義」を一般教書演説でも前面に出しそうだ。大統領は同フォーラムで、米国は不公正な貿易慣行を「もはや黙認することはない」と警告した。

こうした姿勢はニューコアやUSスチールなどの鉄鋼株に影響するとみられる。

大統領は先週、太陽光パネルと家庭用大型洗濯機などに対し、輸入を制限するための関税を課した。これを受けてワールプールなどの家電株や、サンランやビビント・ソーラーなど太陽光発電株の一角は上昇した。

大統領はまた、北米自由貿易協定(NAFTA)に関する最近の交渉を踏まえて同協定について述べる可能性もある。NAFTAに関する発言には、レールロード・カンザスシティ・サザンや洋酒メーカーのコンステレーション・ブランズなどが反応すると考えられる。

<処方薬>

トランプ大統領は2016年の大統領選以降、医薬品価格の値上がりに対処する意向を時折示しており、一部のアナリストは、一般教書演説でも同様の主張が繰り返されると想定している。

バーンスタインのアナリスト、ティム・アンダーソン氏は「米国の医薬品価格を巡りトランプ大統領は30日の一般教書演説でも医薬品会社を(あらためて)酷評する、と当社は考えている」と説明した。

こうした発言により、上場投資信託(ETF)のiシェアーズ・ナスダック・バイオテクノロジーやSPDR・S&P・バイオテクノロジーを含めてバイオテクノロジーと医薬品の両セクターは圧迫されそうだ。

過去に高額医薬品の問題が争点となった局面では、バイオジェンやアムジェンなどの銘柄が売りを浴びている。

<国家安全保障と移民>

国家防衛と軍備増強はこれまでトランプ氏が一貫して重視してきたテーマである。ノースロップ・グラマンやレイセオンなどの防衛株が焦点となりそうだ。

移民改革もトランプ氏が重視するもう1つのテーマだ。大統領が専門技能を持つ外国人労働者に発給する一時就労ビザ「H─1B」の手続きなどで、移民規制を一段と強化する方針を示せば、インフォシスやウィプロなどインドの情報技術(IT)受託会社が影響を被ると考えられる。

不法移民に対する強硬な発言が出た場合には、ジオ・グループやコアシビックなどの刑務所運営会社が注目されそうだ。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン主要濃縮施設の遠心分離機、「深刻な損傷」の公

ワールド

欧州委、米の10%関税受け入れ報道を一蹴 現段階で

ワールド

G7、移民密輸対策で制裁検討 犯罪者標的=草案文書

ワールド

トランプ氏「ロシアのG7除外は誤り」、中国参加にも
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 3
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 4
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 7
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    コメ高騰の犯人はJAや買い占めではなく...日本に根…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中