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サウジ8月産油量が過去最高更新の公算、増産凍結協議控え

2016年08月18日(木)07時45分

8月17日、サウジアラビアが8月に産油量を一段と増加させた可能性があることが関係筋の話で明らかになった。 写真は2008年、リヤド郊外のクライス油田で撮影(2016年 ロイター/Ali Jarekji)

[モスクワ/ドバイ 17日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国が9月に増産凍結をめぐり協議する姿勢を示すなか、世界最大の原油輸出国であるサウジアラビアが8月に産油量を一段と増加させ、同協議に備えようとしている可能性があることが関係筋の話で明らかになった。

業界関係筋によると、サウジアラビアは今年上半期は産油量を安定的に保ってきたものの、その後は夏季に向けた国内需要や輸出需要の高まりに対応するため産油量を引き上げてきた。関係筋は、産油量がそもそも高い水準にあれば、9月の増産凍結をめぐる協議で交渉余地が大きくなる可能性があるとしている。 

サウジアラビアの6月の産油量は日量1055万バレルだったが、7月は同1067万バレルに増加し、過去最高を更新。OPEC非加盟国の関係筋によると、サウジアラビアは8月の産油量を日量1080万─1090万バレルに引き上げるとの姿勢を非公式に示しており、同国の8月の産油量は2カ月連続で過去最高を更新し、世界最大の産油国であるロシアを超える公算が大きくなっている。

OPEC加盟国と非加盟国はこれまでも今年1月の水準に産油量を凍結することで協議を重ねてきたが、4月にサウジアラビアがイランを含むすべての産油国が増産凍結に参加する必要があるとの立場を明確にしたことで協議は暗礁に乗り上げた。

ただ、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相の4月の就任後、同国はイランに対する態度を軟化。OPEC関係筋は、サウジアラビアは原油価格の上昇を望んでいると見られるため、9月に増産凍結に向けた協議が再開される可能性が高いとの見方を示している。

原油価格の下落に歯止めをかけることを目的としたOPEC加盟国と非加盟国による増産凍結の機運が初めて出た1月時点のサウジアラビアの産油量は日量1020万バレルだったが、その後増加。

OPEC非加盟のロシアは4月、2001年以来初めてOPECと協調行動をとり増産凍結に合意する用意があるとの姿勢を示したものの、増産し続ける可能性があることも示唆し、現在の産油量は日量1085万バレルと過去最高となっている。ロシア当局者は来年も増産が続く公算が大きいとの見方を示している。

このほか、OPEC第3位の産油国のイランの産油量は1月の日量337万バレルから現在は同385万バレルに増加。同国は産油量が西側諸国による制裁導入前の日量400万バレルを回復するまで増産凍結には参加しないとの姿勢を崩していない。

ペトロマトリックスのオリビエ・ジェイコブ氏は「制裁解除後のイランを除けばサウジアラビアが(世界の原油)供給増の主な要因となっているため、同国は他の産油国に協調行動を呼びかけるには非常に難しい立場にある」としている。

*見出しを修正して再送します。

ロイター
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