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緩和を粘り強く続ける必要、物価高が賃金上昇伴わず=中村日銀委員
日銀の中村豊明審議委員は7日、長野県金融経済懇談会であいさつし、日本経済は依然として新型コロナウイルス感染症による落ち込みからの回復途上にあり、現在の物価上昇が賃金上昇を伴うものになっていないことから、「金融緩和を粘り強く続ける必要がある」と述べた。写真は6月17日、東京で撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[松本市(長野県) 7日 ロイター] - 日銀の中村豊明審議委員は7日、長野県金融経済懇談会であいさつし、日本経済は依然として新型コロナウイルス感染症による落ち込みからの回復途上にあり、現在の物価上昇が賃金上昇を伴うものになっていないことから、「金融緩和を粘り強く続ける必要がある」と述べた。
7―9月期の実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス0.3%。中村委員は、実質GDPの水準は依然としてコロナ禍前の2019年平均を下回っていると指摘した。マクロ的な需給ギャップもマイナスが継続しており、「供給力に対して需要不足が続く局面での金融政策の引き締めは、企業や家計の経済活動に大きな抑制圧力を掛け、デフレ経済に戻しかねない」と語った。
賃金については、米欧の中央銀行が賃金上昇と物価高騰のスパイラルを阻止するために急速な利上げを継続しているのとは対照的に、日本では「賃金と物価のスパイラルが懸念される状況からは遠い」と話した。感染症からの回復途上で企業の取り組みを後押しし、賃上げに向けた環境を整備する観点からも、緩和的な金融政策の継続が必要だと述べた。