ニュース速報

ビジネス

中国輸出、5月は前年比+16.9%と予想上回る コロナ規制緩和で

2022年06月09日(木)15時35分

 中国税関総署が9日公表した貿易統計によると、5月のドル建て輸出は前年比16.9%増で、アナリスト予想を上回った。深センの港で2020年5月撮影(2022年 ロイター/Martin Pollard)

[北京 9日 ロイター] - 中国税関総署が9日に公表した5月の貿易統計によると、ドル建て輸出は前年比16.9%増加し、伸び率はアナリスト予想を上回った。輸入も4.1%増加し、3カ月ぶりに拡大した。上海市の新型コロナウイルス規制の一部緩和に伴い生産活動が再開し、物流の停滞が解消されたことが背景にある。

ただ、原材料価格の高騰やウクライナ戦争を巡る不確実性などで先行きは見通せない。他国の景気回復も中国製品への需要を左右する。

5月の輸出の増加率は今年1月以来の高水準。予想は8.0%増、4月は3.9%増だった。

輸入は2.0%増の予想だった。前月は横ばいだった。

貿易黒字は787億6000万ドル。予想の580億ドルや4月の511億2000万ドルを上回った。

INGの大中華圏担当チーフエコノミスト、アイリス・パン氏は「これ以上のロックダウン(都市封鎖)がなければ、この回復は続くだろう」と指摘。5月最終週に上海の港が回復したことが主因だとした。

また、「世界の需要が2021年以降と同様に堅調に推移すれば、中国の輸出は少なくとも第3・四半期までは年平均15%の伸びを維持するはずだ」と述べた。

英大証券研究所の鄭後成所長は「5月は物流とサプライチェーンが修復された。供給の観点から見ると、4月の輸出の伸びを押し下げた好ましくない要因が大幅に後退し、5月の前年同月比での伸び加速につながった」と述べた。

一方、輸入については予想こそ上回ったものの、依然として脆弱な内需を反映していると指摘した。

中国の経済活動はコロナ規制の影響で4月に急激に冷え込んだ。厳格なロックダウンにより物流が停滞し、工場の稼働は停止した。

国務院は地方当局に対しサプライチェーン(供給網)の改善や景気支援、失業対策を要請。大手自動車メーカー各社は5月に生産を再開し、港湾や空港の貨物処理能力もロックダウン前の水準に戻りつつある。

植信投資研究院のシニアアナリスト、常冉氏は、最近の人民元安も輸出を後押しし、企業収益改善に寄与すると指摘。「しかし、5月と6月に回復した後はベース効果、世界的なインフレ高止まり、主要国の政策引き締めにより、輸出が直面する圧力は今年後半に強まるだろう」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾総統「26年は重要な年」、主権断固守り防衛力強

ワールド

再送トランプ氏、シカゴやLAなどから州兵撤退表明 

ビジネス

ビットコイン、2022年以来の年間下落 最高値更新

ワールド

ゼレンスキー氏「ぜい弱な和平合意に署名せず」、新年
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 8
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中