ニュース速報

ビジネス

中国の新築住宅価格、1月は9月以降初の前月比上昇 大都市で需要回復

2022年02月21日(月)14時32分

 中国国家統計局が21日発表したデータに基づきロイターが算出した1月の中国新築住宅平均価格は、前月比0.1%上昇し、昨年9月以降で初めてプラスに転じた。北京で昨年1月撮影(2022年 ロイター/Tingshu Wang)

[北京 21日 ロイター] - 中国国家統計局が21日発表したデータに基づきロイターが算出した1月の中国新築住宅平均価格は、前月比0.1%上昇し、昨年9月以降で初めてプラスに転じた。厳格な住宅関連規制の悪影響を和らげるために打ち出された措置が、大都市を中心に住宅購入意欲を下支えした

12月は前月比0.2%下落だった。

1月の新築住宅価格は、前年比では2.3%上昇。伸び率は12月の2.6%から鈍化し、2015年12月以来の低水準となった。

中国当局が不動産開発大手の債務問題を受けて業界全体の債務抑制に動き、市場の低迷を招いたが、昨年終盤以降に開発業者への打撃を和らげる措置が相次いで導入された。預託口座からの資金引き出し規制の緩和が含まれた。

貝殻研究院のアナリスト、許小楽氏は「昨年第4・四半期以降、金融・信用環境がわずかに改善したことで、取引額は底を打った」と指摘。信用環境は今後も緩和されていくと予想され、取引が活発化し、住宅価格も安定するだろうと述べた。

1月は前月比で価格が上昇したのは70都市中28都市で、12月の15都市から増加。1級および2級都市で主に上昇した。

<大都市が上昇に転じる>

国家統計局によると、北京、上海、広州、深センの4大都市の新築住宅平均価格は前月比で0.6%上昇と、12月の0.1%下落から上昇に転じた。

最も大きく変動したのは広州で、0.6%下落から0.5%上昇となった。また、北京は1.0%、上海は0.6%、深センは0.5%、それぞれ上昇した。

上海に拠点を置く易居研究院智庫センターの調査ディレクター、厳躍進氏は「1級都市の上昇は、季節的な要因よりも、(緩和的な)信用政策が実施されている中での購買力が関係している」と指摘。「1級都市の価格は間違いなく上昇を続けるだろう」と語った。

深センと北京のデベロッパーは先月、販売促進のため、現金払いの購入者には1%割引する措置を講じた。

不動産仲介会社・中原地産のチーフアナリスト、張大偉氏は「3月か4月には市場は徐々に安定してくると思われる。1級、2級の都市が最初に低迷期から抜け出すだろう」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米上院共和党、EVの新車税額控除を9月末に廃止する

ワールド

米上院、大統領の対イラン軍事力行使権限を制限する法

ビジネス

バフェット氏、過去最高のバークシャー株60億ドル分

ビジネス

トランプ大統領、「利下げしない候補者は任命しない」
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 3
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急所」とは
  • 4
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 5
    富裕層が「流出する国」、中国を抜いた1位は...「金…
  • 6
    ロシア人にとっての「最大の敵国」、意外な1位は? …
  • 7
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 8
    伊藤博文を暗殺した安重根が主人公の『ハルビン』は…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 4
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 7
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 8
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 9
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 10
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中