ニュース速報

ビジネス

米経済、物価高と労働力不足でも「控えめから緩やかに」成長=連銀報告

2021年12月02日(木)07時04分

米連邦準備理事会(FRB)は1日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、企業がインフレ高進と労働力不足に直面する中でも、米経済は10月から11月前半にかけて「控えめから緩やかなペースで」成長したとの認識を示した。 2020年5月撮影(2021年 ロイター/Kevin Lamarque)

[1日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は1日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、企業がインフレ高進と労働力不足に直面する中でも、米経済が10月から11月前半にかけて「控えめから緩やかなペースで」成長したとの認識を示した。

報告書は「経済の広範な部門で価格上昇が見られ、物価は緩やかから堅調なペースで上昇した」とし、「原材料に対する強い需要、物流面の課題、労働市場の引き締まりに起因する広範な投入価格の上昇が見られた」とした。

強固なインフレ高進が続き、FRBは既にインフレ抑制のための行動を取る必要に迫られている。

FRBのパウエル議長は11月30日、米上院銀行委員会で、物価上昇圧力の拡大や経済成長の加速、労働供給の増加とギャップのある堅調な雇用の増加などを背景に、FRBが量的緩和の終了を予想よりも数カ月早めることを検討すると述べた。

FRBは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う景気対策として導入した国債および住宅ローン担保証券の購入を11月から減らし始め、毎月1200億ドルの購入を段階的に縮小して来年6月までに完了する予定だった。

FRBの政策決定者らは、金融刺激策を縮小し、来年の金利引き上げの可能性を予想よりも早くするための布石として、12月14日─15日に開かれる次回の会合で、計画の前倒しを検討する。

インフレ率はFRBの柔軟な目標である年率2%の2倍を超えて推移している。パウエル氏は上院での証言で、高インフレが来年後半まで緩和されないとの見通しを認めた。

12の地区連銀の多くは、企業が求人枠を満たすのが困難で、給与の上昇につながっていると報告している。

ほぼ全ての地区連銀が堅調な賃金の伸びを報告し「雇用の苦戦と離職率の上昇により、企業は賃金を引き上げ、ボーナスやより柔軟な勤務形態などのインセンティブを提供するようになった」と報告している。

米国の失業率は現在4.6%で、政策担当者らは労働力人口が新型コロナのパンデミック(世界的大流行)前に比べて300万人少ないものの、過去2年間に退職者が増加しているため、不足分を全て補うことはできないとの見方を強めている。

賃金上昇が収まる気配はなく、ほぼ全ての産業の雇用主が記録的な水準で離職している労働者の獲得を競っている。労働者は新しい仕事を見つけることができるという以前より強い安心感から離職しており、離職率の高さは自信の表れと見られる。

大部分の地区連銀が、消費者支出が緩やかに増加し、全体的な活動の見通しが引き続き良好であるとした。だが、一部は、サプライチェーン(供給網)や労働力不足がいつ緩和されるかについての不確実性を指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

最近の急速なウォン安・円安、深刻な懸念共有=日韓対

ワールド

米戦略石油備蓄の第1弾、来週末までに供給 8600

ビジネス

日立とGEベルノバ、東南アジアで小型モジュール炉導

ワールド

米商務省、AI半導体輸出の新規則案を撤回 公表から
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革命をもたらす「新世代ドローン」とは?
  • 3
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈祷」を中国がミーム化...パロディ動画が拡散中
  • 4
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 5
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 6
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 7
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 8
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントに…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 8
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中