ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、リスク選好度低下で安全買い

2021年06月19日(土)06時16分

6月18日、ニューヨーク外為市場でドル指数が引き続き上昇した。連邦準備理事会(FRB)が15─16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ時期の見通しを2024年から23年に前倒して以来、ドルは強含んでいる。写真は2013年2月撮影(2021年 ロイター/Shohei Miyano)

[ニューヨーク 18日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドル指数が引き続き上昇した。連邦準備理事会(FRB)が15─16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ時期の見通しを2024年から23年に前倒して以来、ドルは強含んでいる。

主要6通貨に対するドル指数は0.37%高の92.213と、4月中旬以来の高値を更新。週初からの上昇率は約2%と、週間の上昇率としては約14カ月ぶりの大きさとなる。

FRBが16日に発表した金利・経済見通しでは、当局者18人中13人が23年までの利上げを予想し、うち11人は0.25%ポイントの利上げが2回行われると予想した。7人は22年中の利上げを予想し、より大胆な引き締めに動く可能性が浮上した。

この日はセントルイス地区連銀のブラード総裁が、新型コロナウイルス禍からの回復に伴い、経済成長、特にインフレ率が予想よりも伸びていることに対する「自然な」対応であるという認識を示し、インフレ抑制に向け利上げを「22年終盤に開始すべき」と主張した。

これを受け、市場のリスク選好度は低下。ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツ(トロント)のチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「13年に見られたテーパー・​タントラムの再来だ」とし、安全資産と見なされるドルに資金が向かったと述べた

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの外為部門責任者、アーナブ・ニリム氏は、ドルは特に低利回り通貨に対し底堅く推移すると予想。欧州中央銀行(ECB)が金融政策サイクルでFRBに大きく遅れをとる中、ドルを売ってユーロを買う動きは低調になるとみられている。コメルツバンクのストラテジストは「FRBは一歩先んじているため、ドルがユーロに対し引き続き強含む公算は大きい」と述べた。

リスク選考度を反映すると見なされる豪ドルは対米ドルで0.68%下落し、20年12月以来の安値を付けた。

ポンドは対ドルで下げ幅を拡大し、1.39ドルを下回った。

リスク選考度の低下で暗号資産(仮想通貨)も圧迫され、ビットコインは7.0%安の3万5451.09ドル。

ドル/円 NY終値 110.19/110.20

始値 110.08

高値 110.48

安値 110.05

ユーロ/ドル NY終値 1.1860/1.1864

始値 1.1917

高値 1.1917

安値 1.1848

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 7
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中