ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル2カ月ぶり高値、FRBのタカ派見通しで

2021年06月18日(金)06時05分

終盤のニューヨーク外為市場では、ドル指数が上昇し2カ月ぶりの高値を付けた。米連邦準備理事会(FRB)が新型コロナウイルス禍後の最初の利上げ時期の見通しを2024年から23年に前倒したことを受けた。写真は2020年3月撮影(2021年 ロイター/Mike Segar)

[ニューヨーク 17日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドル指数が上昇し2カ月ぶりの高値を付けた。米連邦準備理事会(FRB)が新型コロナウイルス禍後の最初の利上げ時期の見通しを2024年から23年に前倒したことを受けた。

FRBが16日発表した最新の金利・経済見通しでは、当局者18人中13人が23年までの利上げを予想し、うち11人は0.25%ポイントの利上げが2回行われると予想した。7人は22年中の利上げを予想し、より大胆な引き締めに動く可能性が浮上した。

これを受け、ドル指数は0.53%高の91.892と、4月中旬以来の高値を付けた。前日には約1%上昇し、2020年3月以降で最大の上げを記録していた。

マニュライフ・アセット・マネジメント(ボストン)のアソシエート・​ポートフォリオマネジャー、チャック・トメス氏は「今回のFOMCではタカ派的な内容となり、ドル高につながるリスクがあった」と指摘。一方で、長期的にはドルはレンジから弱含みで推移するだろうとした。

ゴールドマン・サックスのアナリストは「ドルはバリュエーションが高く、世界的な景気回復の広がりにより、幅広い通貨に対して軟調に推移するとの見通しを堅持する」とした上で、「ただ、FRBのタカ派見通しとテーパリング(量的緩和の縮小)を巡る継続的な議論は短期的にドル売りの逆風となる」とし、ドルに対するユーロの買い推奨を撤回した。

リスク選好度の指標とされる豪ドルは0.72%安の0.75545米ドルと、4月1日以来の安値。

豪連邦統計局が17日発表した5月の雇用統計によると、就業者数は11万5200人増加し、予想の3万人を大幅に上回る増加だった。フルタイム就業者数も9万7500人の大幅増だった。

ドルは対ノルウェークローネで0.77%上昇。ノルウェー中央銀行は17日、政策金利を予想通り過去最低のゼロ%に据え置いた。その上で、新型コロナウイルスの流行から経済が想定通りに回復するのに伴い、9月に利上げする可能性が高いとした。

ポンドは対ドルで1.40ドルを下回り5週間ぶりの安値。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは横ばいの3万7769.48ドルだった。

ドル/円 NY終値 110.20/110.23

始値 110.68

高値 110.74

安値 110.18

ユーロ/ドル NY終値 1.1906/1.1910

始値 1.1930

高値 1.1950

安値 1.1893

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

高市首相、中国首相と会話の機会なし G20サミット

ワールド

米の和平案、ウィットコフ氏とクシュナー氏がロ特使と

ワールド

米長官らスイス到着、ウクライナ和平案協議へ 欧州も

ワールド

台湾巡る日本の発言は衝撃的、一線を越えた=中国外相
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナゾ仕様」...「ここじゃできない!」
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 5
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    【銘柄】いま注目のフィンテック企業、ソーファイ・…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中