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中銀デジタル通貨、日本も発行の実現性検討を 自民PTが提言

2020年12月03日(木)18時24分

 12月3日、自民党のプロジェクトチームは、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する提言をまとめ、発行の実現可能性と具体的な制度設計を探るよう求めた。写真は2013年10月、都内の日銀本店前で撮影(2020年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 3日 ロイター] - 自民党のプロジェクトチームは3日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する提言をまとめ、発行の実現可能性と具体的な制度設計を探るよう求めた。日銀は2021年度の早い時期に実証実験を始めることを公表したが、現時点で発行する計画はないとしている。提言は自民党の新国際秩序創造戦略本部でのとりまとめを経て、政府に提出する。

「金融調査会デジタルマネー推進プロジェクトチーム(PT)」がまとめた提言は、2021年度中までに日銀が基礎的な概念実証(フェーズ1)を完了させ、22年度中には発展的な概念実証(フェーズ2)を行うよう求めた。結果を踏まえて民間事業者や消費者が参加する実地試験を速やかにスタートし、発行の実現可能性と具体的な制度設計について一定の結論を得ることを目指すべきだとした。

提言は、他国の中銀が実行フェーズに移行する中、日本も取り組みを加速する必要があると指摘。先行する中国の動向に注意しつつ、欧米と連携しながら日本が主導する形で国際的な技術標準を策定するよう求めた。

日銀は10月9日、CBDCの取り組み方針を公表した。現時点で発行計画がないことを改めて示した上で、環境の変化に的確に対応できるよう準備しておくことが重要と指摘。実証実験の第1弾を、21年度の早い時期に開始することを目指すとした。

日銀の神山一成決済機構局長は同15日、ロイターのインタビューで「既に準備を始めているフェーズ1を来年度の早い時期に開始し、来年度中にはフェーズ2に移行できたらいいと思っている」と語った。

(杉山健太郎、金子かおり 編集:内田慎一、久保信博)

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