ニュース速報

ビジネス

完全失業率、10月は3.1%に悪化 コロナ影響で離職者が増加

2020年12月01日(火)10時17分

12月1日、総務省が1日発表した10月の完全失業率(季節調整値)は3.1%で、前月(3%)から0.1ポイント上昇した。都内で11月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 1日 ロイター] - 総務省が1日発表した10月の完全失業率(季節調整値)は3.1%となり、前月に比べて0.1ポイント上昇した。ロイターの事前予測調査と一致。新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響が長引く中、自発的、非自発的に限らず離職者数が増えている。

男女別では男性が3.4%と前月に比べて0.2ポイント上昇。女性は2.7%と、前月と同じだった。年齢別完では15━24歳が5.0%と最も高く、65歳以上が2.1%と最も低かった。

10月の完全失業者数(実数値)は215万人で、前年同月から51万人増加した。これで9カ月連続増となった。求職理由別に前年同月と比べると「勤め先や事業の都合による離職」が22万人、「自発的な離職(自己都合)」が11万人それぞれ増加した。希望退職への応募やコロナ禍における待遇への不満などが離職者増加に影響した可能性があるという。

就業者数(実数値)は6694万人で、前年同月から93万人の減少。7カ月連続減となった。業種別では、宿泊・飲食サービス業が同43万人、農業・林業が同12万人、サービス業が同10万人、それぞれ減った。宿泊・飲食サービス業は前年の同時期に高水準だった反動もあり、実数は底打ちして「この数カ月では増加してきている」(総務省の担当者)という。

<有効求人倍率は1年6カ月ぶり上昇>

一方、厚生労働省が発表した10月の有効求人倍率(季節調整値)は1.04倍で、前月から0.01ポイント上昇した。ロイターの事前予測は1.03倍を見込んでいた。19年4月以来、1年6カ月ぶりの上昇となったが、足元で新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、来月以降も上昇が続くかは不透明。

10月は企業側の求人状況を示す月間有効求人数(季節調整値)前月に比べて2.2%ポイント増加した。産業別では、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業などが引き続き低迷しているものの、建設業などで採用活動を再開する動きもみられる。

一方、月間有効求職者数(同)は1.1%ポイント増加。企業は求人を出すものの、経済の先行きに不透明感がある中で実際の採用には慎重な姿勢がみえるという。求職側も希望する求人が見当たらず、就職活動が長期化していることがうかがえる。

(杉山健太郎 編集:久保信博)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スイス中銀、9月利下げ見送りは物価・景気見通し踏ま

ビジネス

ハイネケンが新戦略発表、30年まで1桁台半ばの増収

ワールド

ヨルダン川西岸併合はガザ和平計画脅かす、米長官がイ

ワールド

焦点:高市外交「本当のヤマ場」は日中首脳会談、AP
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺している動物は?
  • 3
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 4
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 7
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 8
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 9
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 7
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 10
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中