ニュース速報

ビジネス

カナダ中銀、23年まで金利維持予想 感染第2波は短期成長に打撃

2020年10月29日(木)03時49分

カナダ銀行(中央銀行)は28日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を0.25%に据え置いた。オタワで2018年4月撮影(2020年 ロイター/Chris Wattie)

[オタワ 28日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は28日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を0.25%に据え置き、金利が2023年まで現行水準にとどまるとの見通しを示した。さらに、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う経済危機からの回復は予想以上だったものの、感染第2波が短期的に「より顕著な」鈍化を引き起こす可能性があると警告した。

また、国債買い入れ規模を従来の週50億カナダドルから40億カナダドルに縮小したほか、資産購入プログラムを再調整し長期債にシフトすることで家計や企業にとって最も重要な借入金利に対する直接的な影響を強めるとした。

マックレム総裁は会見で、「大きな買い物を検討している家計や、投資を検討している企業であれば、金利が長期間低水準にとどまることに自信を持っていい」と述べた。

2020年の経済成長率見通しはマイナス5.7%と7月時予想に比べ落ち込み幅が縮小した一方、21年はプラス4.2%と従来予想から下方修正。22年見通しは3.7%成長を据え置いた。経済活動は年明けにパンデミック前の水準に回復するとした。

総裁は「われわれはこの事態を乗り越えるが、長い道のりになる」と指摘。マイナス金利に関しては、導入のハードルが「非常に高くなるだろう」とし、「現況ではあまり有益なものではなく、実際には混乱を招く可能性があると考えている」と説明した。また、最近の政策協議では議論されていないとも明かした。

感染第2波が発生した場合、地域ごとに的を絞った制限措置の実施によって抑制されると見込む一方、「より広範な、またはより徹底的な規制が必要になるという深刻なリスクがある」とした。

今後の四半期ごとの成長パターンは、地域ごとの流行や制限措置に加え、業界ごとの回復度合いが異なっているため「非常に不安定」になると想定。需給ギャップは23年まで縮小せず、インフレ率は22年まで2%目標を下回り続けるとした。

バンク・オブ・モントリオールのチーフエコノミスト、ダグラス・ポーター氏は「経済が当面、財政・金融双方の刺激策を必要としていると、中銀が認識していることは明白だ」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

訂正-(9日配信記事)ウクライナ戦争でロシア経済の

ワールド

米中外相が対面で初会談、「相違点の管理」で合意 協

ビジネス

ドイツ議会、540億ドル規模の企業減税可決 経済立

ワールド

ガザの援助拠点・支援隊列ルートで計798人殺害、国
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「裏庭」で叶えた両親、「圧巻の出来栄え」にSNSでは称賛の声
  • 4
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 7
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 8
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 9
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パ…
  • 10
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中