ニュース速報

ビジネス

中国指導部、重要会議で次期5カ年計画成長目標下げ承認へ=関係筋

2020年09月28日(月)19時27分

中国指導部は次期5カ年計画(2021─25年)の経済成長率目標を16─20年と比べて引き下げることを承認する方針だ。上海の建設現場で7月撮影。(2020年 ロイター/Aly Song)

[北京 28日 ロイター] - 中国指導部は次期5カ年計画(2021─25年)の経済成長率目標を16─20年と比べて引き下げることを承認する方針だ。複数の関係筋が明らかにした。米国とのあつれきが深まる中、厳しさを増す環境に対応する。

関係筋がロイターに明らかにしたところによると、習近平国家主席をはじめとする指導部は10月後半に開催される共産党の重要会議で21─25年の経済・社会発展計画を協議・承認する見通し。

関係筋によると、政策当局者は中国経済が「中所得国の罠(わな)」を切り抜けるのに5カ年の成長目標を設定することが不可欠だと信じている。柔軟性をさらに持たせるためにこうした目標設定をやめるべきかどうかを巡る議論も内部であったという。

議論に関与したある関係筋は「経済目標は設定される。こうしたいかりがなければ発展の方向性はどこにあるのか(分からない)」と語った。

関係筋によると、政府シンクタンクやエコノミストは、国内総生産(GDP)年間平均成長率について、5%前後、5─5.5%から5─6%を含む目標を提言しているという。

第13次5カ年計画(16─20年)の年平均成長率は6.5%以上を目標としている。

国務院(政府)新聞弁公室からは今のところコメントを得られていない。

中国は5月、新型コロナウイルス危機を受けて、今年の成長率目標を設定しなかった。年間の成長率目標を示さなかったのは18年ぶりだった。ただ、一部のエコノミストは政府が3%前後の暗黙の目標を維持しているとみている。

2021─25年の5カ年計画は21年初めに開催される全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で公表されるとみられる。21年単年の成長率目標は今年12月の経済工作会議で設定される見込みで、これも21年の全人代で公表される見通し。

UBSのアナリストは顧客向けノートで、2021─25年について「われわれは中国政府が明確な成長目標を設定しない、もしくは引き下げられ柔軟になった(例えば5%前後の)成長目標を設定すると見込んでいる」と指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国国防相、「弱肉強食」による分断回避へ世界的な結

ビジネス

ブラックストーンとTPG、診断機器ホロジック買収に

ビジネス

パナソニック、アノードフリー技術で高容量EV電池の

ワールド

タイ、通貨バーツ高で輸出・観光に逆風の恐れ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中