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企業向けサービス価格、8月は税除き0.8%低下 旧盆の帰省自粛で
[東京 25日 ロイター] - 日銀が25日公表した8月の企業向けサービス価格指数は、消費税を除くベースで前年比0.8%低下となり、前月の0.7%低下より下落率が拡大した。新型コロナウイルスの感染拡大で宿泊サービスでは需要の低迷が継続。お盆休みの帰省を自粛する傾向が強まる中、例年であれば需要が伸びる国内航空旅客輸送でも需要が振るわなかった。
下落率の拡大に最も寄与したのは「諸サービス」で0.2%低下。前月は前年比変わらずだった。内訳では、宿泊サービスが38.3%低下。5月に過去最低の38.6%低下を記録して以降、下落率が縮小していたが、8月は再び下落率が拡大した。新型コロナの影響で都市部の需要が抑制された。
7月下旬から旅行需要の喚起策「GOTOトラベル」がスタートしたが、企業向けサービス価格指数では宿泊料金の割引前の計数を集計しているため、割引部分は同指数に反映されていない。
このほか、運輸・郵便は0.5%低下と前月の0.2%低下より下落率が拡大した。内訳では国内航空旅客輸送が10.3%低下となり、現行基準になった2016年1月以降で最大の下落率となった。夏休みに伴い航空各社は提供座席数を増やしたが、需要が振るわなかった。
新型コロナの影響でインバウンドは蒸発、国内需要は低迷している。宿泊サービスなどについて、日銀の担当者は「前年比の大幅なマイナスが縮小する兆しはまだうかがわれていない」としている。
消費税を含むベースでは、前年比1.0%上昇、前月比0.1%低下となった。7月確報は前年比1.1%上昇、前月比0.4%上昇だった。
*内容を追加しました。
(和田崇彦 編集:青山敦子)