ニュース速報

ビジネス

JFE、今期1000億円の事業損失予想 来期鉄鋼事業黒字化へ

2020年08月12日(水)16時58分

 8月12日、JFEホールディングスは、2021年3月期(国際会計基準)の連結事業損益が1000億円の赤字(前期は378億円の黒字)になるとの見通しを発表した。写真は川崎市の京浜工業地帯で2013年1月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 12日 ロイター] - JFEホールディングス<5411.T>は12日、2021年3月期(国際会計基準)の連結事業損益が1000億円の赤字(前期は378億円の黒字)になるとの見通しを発表した。新型コロナウイルスの感染拡大により、自動車などで鋼材需要が減少した。ただ、4―6月期が底と見ており、7―9月期以降回復。来期には鉄鋼事業の黒字化を見込んでいる。

21年3月期の純損益は1000億円の赤字予想。リフィニティブがまとめたアナリスト9人の予想の平均は676億円の赤字で、会社予想はこれを下回った。同社は、5月時点での通期見通しの開示を見送っていた。

前期20円だった中間配当はゼロとし、期末配当は、下期以降の儒教を見極めて判断するとした。

赤字の最大の要因は、新型コロナによる鋼材需要の減少。今期の単独粗鋼生産は2200万トン程度で、前期の2673万トンから大きく減少する。

ただ、上期の1000万トンに対し、下期は1200万トンに回復するとみている。鋼材需要は、4―6月期を底に、自動車の回復や土木分野の季節的要因により、7―9月期以降の増加を見込んでいるという。柿木厚司社長は、現在一時休止している西日本製鉄所福山地区の高炉について「再稼働を検討する。8月下旬までに結論を出し、動かすとなれば送風を開始し、再稼働は10月になる」と述べた。

セグメント損益を見ると、鉄鋼事業は上期1450億円の赤字だが、下期はゼロ。柿木社長は「21年度には必ず黒字化を達成する」とし、500―600億円規模での黒字化を目指す考えを示した。

4―6月期の連結売上収益は前年同期比19.8%減の7439億円、事業損益は472億円の赤字(前年同期は307億円の黒字)、純損益は391億円の赤字(同197億円の黒字)だった。

*内容を追加します

(清水律子)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中ロ首相が会談、エネルギー・農業分野で協力深化の用

ワールド

台湾、軍民両用技術の輸出規制をさらに強化へ

ビジネス

フォード、アマゾンで中古車販売開始 現代自に続き2

ワールド

トランプ氏、メキシコ・コロンビアへの麻薬対策強化支
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 7
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 8
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中