ニュース速報

ビジネス

訂正:三菱重、4―6月期純損益は579億円の赤字 スペースジェット事業損失

2020年08月03日(月)19時02分

 8月3日、三菱重工業が発表した2020年4―6月期連結決算(国際会計基準)では、事業損益が713億円の赤字(前年同期は404億円の黒字)、純損益が579億円の赤字(同163億円の黒字)だった。写真は都内で2016年5月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 3日 ロイター] - 三菱重工業<7011.T>が3日発表した2020年4―6月期連結決算(国際会計基準)は、本業のもうけを示す事業損益が713億円の赤字(前年同期は404億円の黒字)となった。カナダ航空機大手ボンバルディアの小型旅客機「CRJ」事業の買収に伴うのれんの減損や、ジェット旅客機「スペースジェット」の開発体制縮小に伴う損失が響いた。純損益は579億円の赤字(同163億円の黒字)だった。

CRJ事業買収に伴うのれんの減損を含めたスペースジェット事業の損失として688億円を計上した。売上高に相当する売上収益は前年同期比15.4%減の7780億円だった。21年3月期の通期業績予想は据え置いた。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、旅客需要や新車需要が急減。このため三菱重にとっては、米ボーイング向け旅客機部品や、ターボチャージャーやカーエアコンなど自動車関連部品を含む中量産品の大幅な減収につながった。

小沢寿人(訂正)最高財務責任者(CFO)はオンラインでの決算会見で、4―6月期のボーイング向け部品関連事業の売上収益は「生産調整を行った結果、当初計画に対して約半減した」と説明。現在は生産が徐々に戻っており、4―6月期が「底と見込んでいる」と語った。

ターボチャージャーやカーエアコンなどの売上収益は「当初計画に対して約3割減」と述べた。ただ、4月を底に回復基調にあり、通期見通しにおける4―6月期の想定を上回るレベルで推移しているという。

一方、スペースジェットについては人員削減を実施し、開発体制の規模を縮小、21年度以降としているスペースジェットの納期については現時点で「変更はない」とした。

21年3月期通期については、売上収益が前期比6.0%減の3兆8000億円、事業損益・純損益はいずれもゼロの見通し。通期予想を維持した背景について、小沢CFOは、4―6月期が「おおむね想定通りに推移している」と話した。

金融情報・分析会社リフィニティブが集計したアナリスト10人の通期事業損益の予測平均値は593億円の黒字で、会社予想は市場予想を下回る。

*本文4段落目の最高財務責任者の氏名を「小沢寿一」から「小沢寿人」に訂正します。

(白木真紀 編集:山川薫)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、来年は積極的なマクロ政策推進 習氏表明 25

ワールド

フィンランド、海底ケーブル損傷の疑いで貨物船拿捕 

ビジネス

トランプ・メディア、株主にデジタルトークン配布へ 

ワールド

台湾、警戒態勢維持 中国は演習終了 習氏「台湾統一
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 5
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 8
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 9
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 10
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中