ニュース速報

ビジネス

NZ中銀、政策現状維持 必要に応じて追加措置の用意

2020年06月24日(水)13時50分

 6月24日、ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は、政策金利と資産買い入れ規模の維持を決定した。写真はニュージーランドで2017年7月撮影(2020年 ロイター/David Gray)

[ウェリントン 24日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は24日、政策金利と資産買い入れ規模の維持を決定した。ただ景気リスクは下向きとの認識から必要に応じて追加措置を講じる姿勢を示した。

政策金利のオフィシャル・キャッシュレート(OCR)は0.25%に据え置いた。量的緩和(QE)策の大規模資産買い入れ(LSAP)の規模も600億NZドル(387億8000万米ドル)で維持した。

ロイターのエコノミスト調査では全員が現状維持を予想していた。予想通りの決定だったが、中銀のハト派姿勢を受け、NZドルは1NZドル=0.6500米ドルから0.6450米ドルに下げている。

中銀は会合後に公表した声明で「金融政策委員会は、必要に応じて追加の刺激措置を講じる用意がある。LSAPの拡大も含め、必要に応じて追加の金融政策ツールを利用する用意がある」と表明した。

議事要旨によると、金融政策委員会は経済のリスクは下向きと判断し、「これまで実施してきた金融刺激が、(中銀の)責務を果たすのに十分か、まだ不透明」との認識を示した。

中銀は5月に資産買い入れ規模を倍に拡大し、必要なら一段の利下げや外国資産の購入を含む追加措置を講じる用意があると表明していた。

ニュージーランドは、新型コロナウイルスの感染封じ込めに成功し、他国に先駆けて経済活動を再開した。それでも経済的打撃は大きく、第1・四半期は29年ぶりの大幅なマイナス成長を記録。政府は経済の立て直しに取り組んでいる。

中銀は資産買い入れ規模を倍増させた5月の政策会合で、将来的なマイナス金利の可能性を示唆しており、投資家の注目が集まっている。

中銀は8月の会合で今後の量的緩和策や金融政策の代替手段について説明するとした。また、NZドル相場の上昇は輸出収入へを一段と圧迫していると指摘した。

ウエストパック銀行の首席エコノミスト、ドミニク・スティーブンズ氏は、景気を巡る状況は幾分改善したものの、中銀は依然、金融引き締めではなく緩和に目を向けていると指摘した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米東部の高齢者施設で爆発、2人死亡・20人負傷 ガ

ワールド

英BP、カストロール株式65%を投資会社に売却へ 

ワールド

アングル:トランプ大統領がグリーンランドを欲しがる

ワールド

モスクワで爆弾爆発、警官2人死亡 2日前のロ軍幹部
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これまでで最も希望が持てる」
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 6
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 7
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 8
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中