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NY市場サマリー(22日)株式は高安まちまち、ドルに安全買い

2020年05月23日(土)06時33分

[22日 ロイター] -

<為替> 米中間の緊張の高まりを背景に安全通貨に対する需要が高まり、ドル指数が上昇した。

中国政府は、香港に国家安全法の制定を義務付ける新たな法案を全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に提出。これについてポンペオ米国務長官は「横暴かつ破滅的」で、香港の自治の「終えんの前兆」と非難した。前日にはトランプ米大統領が、中国が香港に国家安全法を導入すれば米国は「極めて強硬に対応する」と警告していた。

米中関係は新型コロナウイルスの感染拡大を巡っても悪化。シリコンバレーバンク(カリフォルニア州)のシニア外為トレーダー、ミン・トラン氏は「市場は完全に『リスクオフ』状態になっている」と述べた。

主要6通貨に対するドル指数<=USD>は0.4%高の99.789。アクション・エコノミクスのグローバル外為分析部門責任者、ロナルド・シンプソン氏は「安全通貨としてのドルに買いが入ったことで、ドル指数が押し上げられた」と指摘。ただ、週初からは約0.6%の下落となった。

ユーロは対ドルで0.5%安。

中国人民元は7.1645元と、2カ月ぶり安値を更新。オンショア人民元は8カ月ぶり安値を付けている。

リスク動向に敏感を反映するとされる豪ドルは対米ドルで0.5%安。ニュージーランドドルも0.5%下落した。

英ポンドは対ドルで0.4%安。英国立統計局(ONS)が発表した4月の小売売上高は前月比18.1%減と、統計開始以来、最大の落ち込みとなった。

原油安を受け資源国通貨も下落。対米ドルでカナダドルが約0.2%、ノルウェークローネが約0.8%下落した。

<債券> 長期ゾーンの利回りが低下。香港情勢を巡る米中間の緊張の高まりへの警戒感からリスク選好の動きが後退し、10、30年債利回りはともに1週間ぶりの水準に沈んだ。

中国政府は、香港に特別行政区基本法に基づく国家安全法の迅速な制定を義務付ける新たな法案を全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に提出。ポンペオ米国務長官は「横暴かつ破滅的」で、香港の自治の「終えんの前兆」と非難したほか、トランプ大統領も中国が実際に香港に国家安全法を導入すれば、米国は「極めて強硬に対応する」と警告した。

ブリン・マウワー・トラストの首席債券ディレクター、ジム・バーンズ氏は「香港や中国関連など、新型コロナウイルス流行前の問題が再び注目されている。こうした問題が圧迫要因となり、利回りが押し下げられた」と述べた。

指標10年債利回りは0.657%に低下。一時1週間ぶりの水準となる0.627%まで下げた。

30年債利回りも1.371%に低下。一時は1.329%と、1週間ぶりの低水準を付けた。

20年債利回りも1.127%に低下した。

一方、2年債利回りは前日から小幅上昇し、0.170%。

2・10年債利回り格差は48.70ベーシスポイント(bp)と、4日連続で縮小した。

<株式> 主要株価指数が高安まちまちで取引を終了した。米中間の緊張を見極めたいとのムードが広がったほか、新型コロナウイルス流行からの経済回復ペースを巡る不透明感も続いた。

トランプ米大統領が21日、中国が香港に対し国家安全法を導入すれば、米国は「極めて強硬に」対応すると警告したことを受け、第1段階の米中通商合意が破棄されるとの懸念が高まった。

また米商務省が人権侵害や国家安全保障上の懸念を理由に33の中国企業・団体をブラックリストに追加すると発表したことを受け、引けにかけ売り優勢となった。

米中間の緊張の高まりによって、主要株価指数は数カ月ぶりの高値から下落したものの、週間の上昇率はダウが3.3%、S&P500が3.2%、ナスダックが3.4%となった。新型コロナワクチンや制限措置の緩和を巡る楽観的な見方が追い風となった。

USバンク・ウェルス・マネジメントのエリック・フリードマン最高投資責任者(CIO)は「新型コロナに対する懸念が引き続き市場を支配しているが、米中関係が取って代わる可能性がある」と述べた。

週明け25日の米株市場はメモリアルデーの祝日で休場となる。

セクター別では不動産<.SPLRCR>が2.2%高と値上がりトップ。一方、原油価格が3%下げたことでエネルギー<.SPNY>が0.7%下落した。

シェブロンが1.9%下げ、ダウの重しとなった。

中国電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングは予想を上回る四半期利益を発表したものの、株価は約6%下落した。中国の電子商取引サイト運営大手、ピン多多(ピンドォドォ)の米上場株は好調な決算を受けて14%高となった。

米半導体大手エヌビディアは2.9%高。2・四半期(5─7月)の売上高見通しがアナリスト予想を上回った。

米プライベートエクイティ(PE)大手KKRは1.1%上昇した。インドの複合企業リライアンス・インダストリーズのデジタルサービス部門「ジオ・プラットフォームズ」に15億ドル出資すると発表した。

データ分析ソフトウェアメーカーのスプランクは、クラウドサービスへの需要増加見通しを受けて約12%上昇した。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.17対1の比率で上回った。ナスダックでは1.30対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は87億5000万株。直近20営業日の平均は112億株。

<金先物> 米中対立激化への懸念を背景に反発した。中心限月6月物の清算値は前日比13.60ドル(0.79%)高の1オンス=1735.50ドル。

中国は22日開幕した全国人民代表大会で、「一国二制度」の香港に対する直接的な統治を強化する新たな治安法制の審議を始めた。これに対し、ポンペオ米国務長官は高度な自治の「終わりの前兆」と非難。トランプ大統領も「強力な対応を取る」とけん制しているほか、上院では対中制裁法案を提出する動きが出ている。

こうした米中間の緊張の高まりを受け、市場では投資家のリスク選好姿勢が後退。安全資産とされる金には「質への逃避買い」が入った。

一方、米国では全50州で、新型コロナウイルスの感染拡大で停滞していた経済活動が一部再開。新型コロナのワクチン開発への期待感も高まっており、金相場の上値は抑えられている。

金塊現物相場は午後2時36分現在、10.775ドル高の1735.045ドル。

<米原油先物> 原油先物相場は、中国経済の先行き懸念などを背景に、7営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値は前日比0.67ドル(2.0%)安の1バレル=33.25ドルとなった。8月物は0.69ドル安の33.65ドルだった。中国の第13期全国人民代表大会(全人代)第3回会議が22日開幕した。新型コロナウイルス感染拡大による経済への打撃は深刻で、今年の経済成長目標の公表は見送られた。市場では石油の主要消費国である中国の景気悪化で、原油需要が減退することへの懸念が広がった。

米中関係の緊張の高まりも相場を下押しした。全人代で審議が始まった香港の治安法制について、トランプ大統領は21日、「現実になれば、非常に強力な対応を取る」とけん制。中国側が内政干渉だと反発したことから、投資家のリスク回避姿勢が強まった。一方、米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが発表した1週間の国内石油掘削リグ稼働数は前週比21基減の318基となり、過去最低を更新した。各州が進める経済活動再開の動きと合わせて需給改善への期待が高まり、原油相場は終盤にかけて下げ幅を縮めた。

ドル/円 NY終値 107.61/107.64

始値 107.45

高値 107.65

安値 107.43

ユーロ/ドル NY終値 1.0900/1.0904

始値 1.0901

高値 1.0914

安値 1.0886

米東部時間

30年債(指標銘柄) 14時05分 97*01.50 1.3705%

前営業日終値 96*12.50 1.3980%

10年債(指標銘柄) 14時05分 99*22.00 0.6574%

前営業日終値 99*16.00 0.6770%

5年債(指標銘柄) 14時05分 100*06.50 0.3334%

前営業日終値 100*05.75 0.3380%

2年債(指標銘柄) 14時05分 99*29.25 0.1696%

前営業日終値 99*29.38 0.1670%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 24465.16 -8.96 -0.04 <.DJI>

前営業日終値 24474.12

ナスダック総合 9324.59 +39.71 +0.43 <.IXIC>

前営業日終値 9284.88

S&P総合500種 2955.45 +6.94 +0.24 <.SPX>

前営業日終値 2948.51

COMEX金 6月限 1735.5 +13.6 <0#GC:>

前営業日終値 1721.9

COMEX銀 7月限 1769.3 +32.9 <0#SI:>

前営業日終値 1736.4

北海ブレント 7月限 35.13 ‐0.93 <0#LCO:>

前営業日終値 36.06

米WTI先物 7月限 33.25 ‐0.67 <0#CL:>

前営業日終値 33.92

CRB商品指数 129.5329 ‐0.9834 <.TRCCRB>

前営業日終値 130.5163

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