ニュース速報

ビジネス

中国新規融資、1月は3.34兆元 過去最高更新

2020年02月20日(木)20時00分

 2月20日、中国の1月の新規融資は前月から予想以上に増加し過去最高を更新した。写真は北京の中国人民銀行前を歩く男性。2018年9月撮影(2020年 ロイター/Jason Lee)

[北京 20日 ロイター] - 中国の1月の新規融資は前月から予想以上に増加し過去最高を更新した。貿易摩擦に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大という新たな脅威に直面し当局が景気支援策を強化したことが背景。

例年、1月は銀行が優良顧客を囲い込み、シェアを拡大しようと融資を膨らませる傾向がある。

中国人民銀行(中央銀行)によると、1月の新規人民元建て融資は3兆3400億元と昨年12月(1兆1400億元)から大幅に増加。ロイターがまとめたアナリストの予想(3兆元)を上回り、昨年1月の過去最高(3兆2300億元)記録を塗り替えた。

人民銀行のデータに基づくロイターの計算で、住宅ローンが主体の家計向け融資は6341億元で、昨年12月(6459億元)から減少。企業向け融資は4244億元から2兆8600億元に急増した。

ここ1年あまり、当局は銀行に中小の民間企業を中心に金利を抑えて融資を拡大するよう促している。ここにきてあらたに新型ウイルスが経済に影を落としており、人民銀行は20日、銀行の貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を引き下げた。

マネーサプライM2は前年比8.4%増加。伸び率は昨年12月(8.7%)と予想(8.6%)をともに下回った。

1月末時点の人民元建て融資残高は前年比12.1%増で予想と一致。昨年12月は12.3%増だった。

<さらなる景気支援措置>

当局の政策に関係する筋によると、政府はさらなる景気支援措置を講じる方針という。

新規株式公開、信託会社の融資、債券発行など、通常の銀行融資以外の簿外の与信も含まれる社会融資総量は、1月末時点の残高が前年比10.7%増の256兆3600億元。

1月の社会融資総量は5兆0700億元で昨年12月(2兆1030億元)から急増し、アナリスト予想(4兆3000億元)も上回った。

キャピタル・エコノミクスのジュリアン・エバンス・プリチャード氏は「信用の伸びと経済活動を下支えするため、今後数週間で、的を絞った形と広範な形の双方で追加の金融緩和があると予想している」と述べた。

今後しばらくは、春節休暇の延長や新型ウイルスの感染拡大を受けた一部の都市の封鎖が、融資活動の重しになる公算が大きいが、当局は融資拡大と資金調達コストの低下に向けた措置を打ち出す姿勢を示している。

複数の当局者によると、国内銀行は新型ウイルス対策を支援するため、5370億元を超える信用を供与している。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、高市首相の台湾発言撤回要求 国連総長に書簡

ワールド

MAGA派グリーン議員、来年1月の辞職表明 トラン

ワールド

アングル:動き出したECB次期執行部人事、多様性欠

ビジネス

米国株式市場=ダウ493ドル高、12月利下げ観測で
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 7
    Spotifyからも削除...「今年の一曲」と大絶賛の楽曲…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中