ニュース速報

ビジネス

米CPI、10月は0.4%上昇 市場予想上回る

2019年11月14日(木)03時43分

米労働省が13日発表した10月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.4%上昇し、市場予想の0.3%上昇を上回った。3月以来の大幅な伸びだった。ペンシルベニア州キング・オブ・プルシアで昨年12月撮影(2019年 ロイター/MARK MAKELA)

[13日 ロイター] - 米労働省が13日発表した10月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.4%上昇し、市場予想の0.3%上昇を上回った。3月以来の大幅な伸びだった。

米連邦準備理事会(FRB)は短期的に追加利下げをしないことを示唆している。この日の統計は、貿易摩擦や景気後退への懸念が和らいでいることとともに、FRBの見方を後押しする可能性がある。

ナロフ・エコノミック・アドバイザーズの首席エコノミスト、ジョエル・ナロフ氏は「FRBが近い将来、再び利下げする理由はない。インフレ率は低下傾向になく、米経済は緩やかに成長している」と述べた。

9月のCPIは前月から横ばいだった。

10月の前年同月比は1.8%上昇。9月は1.7%上昇していた。市場予想は1.7%上昇だった。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.2%上昇した。9月は0.1%上昇していた。

10月は医療費が1.0%上昇し、2016年8月以来3年超ぶりの大幅な伸びでコア指数を押し上げた。9月は0.2%上昇だった。病院業務や処方薬の価格上昇が寄与した。10月の医療費の前年同月比は4.3%上昇した。

MUFGの首席エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「FRB当局者が米経済にインフレが起こっていないと思うなら医者にかかるべきだ」と指摘した。

コア指数の前年同月比は2.3%上昇。9月は2.4%上昇していた。

FRBが物価の目安としているコア個人消費支出(PCE)価格指数は9月に前年同月比で1.7%上昇。今年はFRBの目標である2%を下回っている。10月にCPIが加速したことや、医療費の伸びが好調だったことは、今月末に発表される10月のPCE価格指数がペースを上げたことを示唆する。

FRBは先月、今年3度目となる利下げを決めた。7月に08年以来初めてとなる利下げに踏み切って以降、金利を引き下げてきたが、今回は利下げの一時休止を示唆した。

最近発表された統計は比較的明るい内容だった。10月の雇用者数は市場予想を上回ったほか、サービス業の活動も加速した。米中貿易摩擦も和らいでいる。トランプ米大統領は12日、中国との第1段階の合意に関して、近く署名できるだろうと発言。詳細は明らかにしなかった。

1年4カ月続いている米中貿易摩擦は製造業の打撃となってきたが、個人消費は底堅さを保っている。

CPIの前月比の内訳は、エネルギーが2.7%上昇。9月は1.4%下落していた。エネルギーの値上がりは、CPIの上昇要因の半分以上を占めた。エネルギーのうちガソリンは3.7%上昇。9月は2.4%下落した。

食品は0.2%上昇。2カ月連続で伸びた。家庭用食品は0.3%上昇だった。

帰属家賃は0.2%上昇。9月は0.3%上昇した。ただ賃貸家賃は0.1%上昇と、11年4月以来の小幅な伸びにとどまった。

中古車は1.3%上昇。9月は1.6%下落した。衣料は1.8%下落。9月は0.4%下落していた。

娯楽は0.7%上昇と伸び率は1996年2月以来の大きさだった。パーソナルケア製品が伸びた。

家庭用品は0.2%下落。新車は4カ月連続で下落した。

ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのシニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は「インフレ率の堅調なトレンドが予想されるが、貿易摩擦が持続する中で米成長率に対する見通しが一段と不明瞭になり、短期的にはインフレ率がFRBの目標を大幅に上回る可能性は乏しい」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシアがドローン・ミサイル攻撃、ハルキウで少なくと

ワールド

トランプ氏、イランとの交渉「関心ない」 全指導者排

ワールド

アングル:ベトナム、新興国格上げ目前に海外資金流出

ワールド

アングル:メキシコ「麻薬王」拘束作戦の立役者、家族
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗雲...専門家「イランの反撃はこれから」「報道と実態にズレ」
  • 2
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 3
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示さない
  • 4
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 5
    【WBC】侍ジャパン、大谷翔平人気が引き起こした球場…
  • 6
    女性の顔にできた「ニキビ」が実は......医師が「皮…
  • 7
    大江千里が語るコロナ後のニューヨーク、生と死がリ…
  • 8
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 9
    ダイヤモンドのような「ふくらはぎ」を鍛える最短ル…
  • 10
    「みんな一斉に手を挙げて...」中国の航空会社のフラ…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 9
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中