ニュース速報

ビジネス

カナダ中銀、政策金利1.50%に引き上げ 追加利上げも示唆

2018年07月12日(木)03時46分

7月11日、カナダ銀行(中銀)は政策金利を予想通り1.25%から1.50%に引き上げた。写真は2011年9月、オタワの中銀前で撮影(2018年 ロイター/Chris Wattie)

[オタワ 11日 ロイター] - カナダ銀行(中銀)は11日、政策金利を予想通り1.25%から1.50%に引き上げた。段階的な追加利上げが正当化されるとの見解を示したが、貿易摩擦の高まりが投資や輸出に予想以上の影響を与える恐れがあると警告した。

利上げは今年1月以来で、昨年7月に始まった利上げサイクルでは4度目となる。声明では、貿易リスクを巡り比較的楽観的な見方を示したことから、カナダドルは約4週間ぶり高値に上昇。エコノミストは、年内に追加利上げを想定しているとの見方を示した。

中銀は、米国との報復関税の応酬が産業や雇用の調整をやや難しくしているものの、関税が成長やインフレに与える影響は大きくないとの見方を示した。

今回の声明では、今後の利上げに関する従来の文言が微調整された。指標に沿って段階的なアプローチを取る一方で、利上げに対する経済の調整、生産能力の動向、賃金圧力のほか、「貿易措置への企業や消費者の対応」を監視するとした。

ポロズ総裁は記者会見で、通商問題を切り離して考えることは難しかったとしながらも、カナダ経済がエンジン全開となるなか、見通しに対する確信が高まっていることを踏まえ、利上げを決定したと説明。「通商問題に討議の大きな部分を割いたが、初期の段階で通商問題が討議の基盤にはならないことで意見が一致した」と述べた。

同総裁はまた、今回の利上げは市場でおおむね予想されており、中銀のメッセージの市場での受け止められ方にも満足しているとも表明。中銀は昨年9月に利上げを決定した際、市場との対話が十分でなかったとして批判されていた。

中銀が通商問題について比較的明るい見通しを示したことで、外国為替市場でカナダドルは約4週間ぶりの高値を付けた。

ドミニオン・レンディング・センターの首席エコノミスト、シェリー・クーパー氏は「今回の利上げは、中銀が主要政策金利を正常な水準に戻すことを固く決意していること、また、一段の利上げに耐えられるほどに経済は堅調であることを示している」と指摘。

BMOキャピタルマーケッツの首席エコノミスト、ダグ・ポーター氏は「一見したところ、予想よりもやや楽観的でタカ派な印象を受けた。通商面で多少の懸念があることもうかがわれる。全般的には前進かつ上向きの姿勢が見受けられることから、これで年内利上げ打ち止めとはならないだろう」と述べた。

経済成長率見通しは、予想より強い米経済を背景に第2・四半期が2.8%と、前回4月時点の2.5%から上方修正した。一方、第3・四半期は1.5%への鈍化を見込む。向こう2年間の成長率は平均で約2%とした。

インフレ見通しは今後2.5%程度に上昇し、来年後半までに2%に鈍化するとした。賃金の伸びは約2.3%で推移しているが、スラック(需給の緩み)のない労働市場の下で想定される水準には到達していないとした。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイランに新たな攻撃、「米と交渉せず」と

ワールド

米戦闘機が墜落、クウェートが誤射 ドローン攻撃続く

ビジネス

英住宅ローン承認件数、1月は2年ぶり低水準 予想外

ワールド

IAEA、核施設に「被害の兆候なし」 ナタンツ攻撃
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医師が語る心優先の健康法
  • 4
    ドバイの空港・ホテルに被害 イランが湾岸諸国に報…
  • 5
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 6
    「本当にテイラー?」「メイクの力が大きい...」テイ…
  • 7
    「高市大勝」に中国人が見せた意外な反応
  • 8
    【銘柄】「三菱重工業」の株価上昇はどこまで続く...…
  • 9
    【銘柄】「ファナック」は新時代の主役か...フィジカ…
  • 10
    米・イスラエルの「イラン攻撃」受け、航空各社が中…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 8
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 9
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 10
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中