ニュース速報

ビジネス

タカタ、KSSへの事業譲渡を完了 高田会長兼社長は退任

2018年04月12日(木)14時41分

 4月11日、米自動車部品メーカー、キー・セイフティー・システムズ(KSS)は、約16億ドル規模のタカタの主要事業の買収を完了したと発表した。写真は2016年10月にロイターのインタビューに答えるKSSのジェイソン・ルオCEO。東京で撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

[東京 12日 ロイター] - 民事再生手続き中の自動車部品大手タカタは12日、スポンサーである米自動車部品メーカー、キー・セイフティー・システムズ(KSS)への事業譲渡を米国時間の10日に完了したと発表した。譲渡完了に伴い、高田重久会長兼社長(52)が11日付で退任し、野村洋一郎取締役(69)が新社長に就いた。ただ、債権者対応や破綻処理などを終え次第、会社は7―8年後には清算される見通しだ。

タカタは昨年6月、欠陥エアバッグの大規模リコール(回収・無償修理)問題で経営破綻した。譲渡事業で設立した会社名は、譲渡先の親会社の英語表記に合わせて「ジョイソン・セイフティ・システムズ」に変更した。本社も東京から米ミシガン州に移した。1933年の創業から85年、事業会社としては創業家の名が社名から消えることになる。

KSSは、親会社である中国の自動車部品大手、寧波均勝電子<600699.SS>が率いる企業連合(コンソーシアム)から買収資金を確保した。買収額は15億8800万ドル(約1750億円)。ジョイソン・セイフティ・システムズはエアバッグのリコールに起因する負債を引き継がない。

タカタは、リコールの原因となった相安定化硝酸アンモニウムを使用したエアバッグ部品のインフレーター(ガス発生装置)の製造・販売事業を除き、実質的にすべての資産と事業をKSSへ譲渡した。リコール対応の交換用インフレ―タ―の製造と販売については、タカタと別法人の「RTKサービス合同会社」が担い、同社もリコール問題の処理にめどがついた時点で清算される方針。

大規模リコールを受けてタカタは昨年6月、民事再生法の適用を申請。米国法人TKホールディングスも破産法11条の適用を申請した。

*内容を追加しました。

(白木真紀)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、「中立金利」到達まで0.5%幅の利下げ必要

ワールド

米国版の半導体の集積拠点、台湾が「協力分野」で構想

ワールド

アフガン北部でM6.3の地震、20人死亡・数百人負

ワールド

米国防長官が板門店訪問、米韓同盟の強さ象徴と韓国国
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    【HTV-X】7つのキーワードで知る、日本製新型宇宙ス…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中