芸術には国境がない。しかし、それが芸術家の活動地域と結びつけて語られることはほとんどない。また、「国境がない」芸術は西洋起源の音楽や美術をイメージすることが多く、非西洋の芸術はほとんどの場合、地域性や特殊性を含意している。越境の日常化は境界を無効にする一方で、その存在を顕在化させることもある。そもそも越境とは何か、境界の生起と消失の反復はどのような可能性をもたらすのか。本特集がそれらの問題についての思索を深めるきっかけとなれば幸いである。
vol.099
毎年春・秋発行絶賛発売中
絶賛発売中