<サッチャーの新自由主義からの決別と大見え切ったのに、結果はきゅうりの漬物が8円値引きされる程度だった>

[ロンドン発]10月28日、アンディ・バーナム英首相になって初の予算案が発表された。サッチャー革命以来の経済政策を転換するというバーナム氏の大見えは、財政規律の維持を前面に掲げたため、家計と企業に「息継ぎの余地」を与える弥縫策に終始した。

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中東紛争でインフレが再燃、庶民の生活が苦しくなる中、予算案では約2000万世帯を対象に1回限り100ポンド(約2万1000円)のエネルギー支援金を支給、電気料金の付加価値税(VAT)ゼロとガソリン・軽油の燃料税5ペンス(約11円)減税を来年7月まで延長した。

財源確保のため大手銀行の利益に課す銀行サーチャージを現行の3%から6%に一時的に引き上げ、高レートのギャンブル機器について20%から25%に増税。来年4月より預貯金利子および不動産賃貸収入に対する税率を2%ポイント引き上げ、年10億ポンド規模を確保する。

法定生活賃金を来年4月より3.9%引き上げ時給約2777円に

法定生活賃金を来年4月より3.9%引き上げ、時給13.21ポンド(約2777円)とする。

小売・ホスピタリティ・娯楽業の小規模事業者事業所税の非課税基準を評価額1万2000ポンド(約252万円)から1万8000ポンド(約378万円)に引き上げる。7万事業者が追加的に対象となる見通し。

最大の焦点だった2030~35年にかけ国防費を国内総生産(GDP)比3~3・5%に引き上げる具体的な財源の手当て、年々膨張する疾病・障害給付を中心とする福祉制度改革は支出見直しや白書発表以降に先送りされた。

英紙ガーディアンの論客アディティヤ・チャクラボルティ氏は「バーナム氏は大きな変化を約束したが、それはどこへ行ったのか。 代わりに届いたのは“マーティン・ルイス予算”だった」と題し、バーナム政権のポピュリズム的矮小化を批判する。

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