アメリカは最先端AIの主要な指標の全てで世界をリード

もっとも専門家に言わせれば、軍事的優位を確立するには高度な技術の導入以上に、巧みな運用が鍵を握る。イスラエルはAIを使ってガザ全域で監視を行い、攻撃目標を選定してきた。ただしこのやり方は誤認逮捕や民間人の死亡につながったと報じられており、こうした技術の信頼性や失敗した場合の責任の所在といった問題を突き付けた。

軍事AI戦略の有効性は各モデルの性能や強みが、その国の軍事目標に適しているかどうかに左右される。例えば国境防衛など目標が限られている場合は、計算能力が低い特化型モデルで十分だろう。

それでも現時点の能力をはるかに超える高度な汎用AIモデルが、いずれ軍事に不可欠な存在になることは十分に考えられる。アメリカはモデルの性能、投資額、計算能力、人材など、最先端AIの主要な指標の全てで世界をリードしており、他国にとってアメリカ製以外のモデルを選ぶハードルは高い。

ただし、最先端のクローズドウェイトモデル(設計などが非公開)が、より性能は低いが迅速に導入できるオープンウェイトモデルに対し、実戦で明確な優位性を持続できるとは限らない。研究機関のエポックAIによると今年1月以降、オープンモデルの能力は最先端のクローズドモデルに約4カ月遅れている。この程度の差であるなら、戦場での優位性を左右するのは、技術力で時間的に先行することではなく、実戦で十分に使える能力をどれだけ早く投入できるかになるかもしれない。

自社技術を軍事目的に利用しない方針を掲げるAI企業
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