国産モデルの開発に注力する中堅国
こうした動きは既に進んでいる。英政府はディープマインドと国家安全保障などに関する覚書を締結。オーストラリア企業とオープンAIとの契約では防衛も対象部門に入っているし、NATOは米軍が戦闘支援に運用する「メイブン・スマート・システム」(アンソロピックのAIが統合されている)の導入を決めた。
第2の選択肢は小規模の汎用AIの導入だ。一部の中堅国は既に国産モデルの開発に注力しており、フランスはパリ拠点のスタートアップ企業ミストラルが開発したAIを全軍で運用する予定だ。カナダ軍も自国のスタートアップ、コヒアが開発したAIを採用。インドは「AI主権」確立に数十億ドルを投じる方針だ。
アメリカのメタ、中国のディープシークやアリババ、フランスのミストラルなどオープンウェイトモデルの開発企業と提携する動きもある。オープンモデルは一般的に軍事利用が禁止されているものの、正式な提携契約を結べば、運用・技術支援付きで無制限の利用が可能になる場合もある。
とはいえ、現在のオープンモデル市場では人気と性能の両面で中国勢が優位だ。フランスも米中双方に過度に依存せずAIを軍事利用する手段として、ミストラルを欧州内外の同盟国や友好国に売り込んでいる。
第3の選択肢は、用途を絞った特化型AIを戦術的に利用することだ。
この3つ以外に、パランティア・テクノロジーズやアンドゥリルなど防衛分野に特化した米テック企業と提携し、最先端AIへのアクセスと技術支援や運用支援サービスを一括して受ける方法も考え得る。ウクライナやイスラエルがいい例だ。