Colleen Howe Sudarshan Varadhan
[北京/シンガポール 17日 ロイター] - 中国では、電力の需要と供給のバランスを保ち、大規模停電(ブラックアウト)を防ぐために発電量を抑える出力制御のため、2026年上半期(1―6月)に推計で360テラワット時の再生可能エネルギーの送電網への受け入れが拒否されたことがグローバル・エネルギー・モニター(GEM)とエネルギー・クリーンエア研究センター(CREA)が発表した報告書で分かった。
前年同期比で49%増え、メキシコの年間電力消費量を賄える量に相当する。中国は太陽光発電による発電量が世界最大であり、再エネには他に風力発電も含まれる。
GEMとCREAは風力・太陽光発電の総発電量のうち26.1%が出力制御の対象になったと推計している。これに対し、中国国家能源局は太陽光発電量のうち8.6%、風力発電量のうち9.1%が出力抑制になったと発表しており、大きなかい離がある。能源局はコメント要請に回答しなかった。
他にオーストラリアや日本など多くの国々で風力発電や太陽光発電などの再エネの出力制御が相次いでおり、世界での再エネ拡大に向けた大きな課題となりつつあり、化石燃料への依存を続けざるを得ないことを浮き彫りにしている。
コンサルティング会社ウッド・マッケンジーのアナリスト、ユアン・レン氏は「中国での出力制御は構造的な問題であり、一時的なボトルネックではない。2020年代中は出力制御の圧力が続くと予想される」との見方を示す。
出力制御に加え、再エネに対する固定価格買い取り制度の廃止もあったため、26年上半期の太陽光発電の新規導入量は66%減った。一方、中国の石炭火力発電量は26年に再び増加すると予想されている。
<世界的に増加する出力制御>
出力制御は他のアジア太平洋諸国や欧州にも広がっており、オーストラリアの国家電力市場(NEM)は2026年上半期の出力制御が前年同期比37%増の2.93テラワット時となり、風力・太陽光発電量の7%に相当した。日本では再エネ発電量の4%に当たる2.35テラワット時の出力制御があり、34%増えた。
太陽光発電量が世界3位のインドでは、26年4―6月の直近四半期に8.13テラワット時の太陽光発電の出力制御があった。同国の再生可能エネルギー担当相が明らかにした。送電網のデータによると、これは直近四半期の太陽光発電量の14%に相当する。
英シンクタンク、エンバーによると、前四半期(1―3月)の太陽光発電・風力発電の出力制御は0.47テラワット時だった。アナリストのコスタンツァ・ランゲロワ氏は蓄電池の効率的な導入と即時の規模拡大が、世界的な出力制御の増加を抑えるのに役立つ可能性があると指摘。ブルガリアとチリが参考となる効果的な事例だとして「チリは25年に4ギガワット時の蓄電池を増設し、蓄電能力を2倍超にした。この新規蓄電設備の大部分は太陽光発電所と併設されており、出力制御の削減に寄与している」と説明した。