Ross Kerber

[13日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に対する破格の報酬制度が、他のS&P総合500種採用企業のCEOにも巨額報酬への道を開いたことが、新たな調査で明らかになった。

米最大の労組、米労働総同盟産別会議(AFL─CIO)が13日に発表するデータによると、テスラとスペースXを率いるマスク氏を除いても、S&P500採用企業のCEOの平均報酬は2025年に21%急増し、2280万ドルに達した。AFL─CIOが1990年代に集計を開始して以来の高水準となる。

労組関係者によると、報酬急増の背景には、テスラでのマスク氏の報酬制度に触発された巨額報酬計画の増加がある。マスク氏の報酬契約は、全ての目標を達成した場合に最大1兆ドル規模となる。テスラの株主は昨年11月、会社側が1580億ドルと評価する制限付き株式付与計画を承認した。

これを含めると、S&P500採用企業CEOの昨年の平均報酬は3億4010万ドルに達する。

AFL─CIOのフレッド・レドモンド財務担当書記は電話インタビューで、マスク氏の報酬は「他のCEOの報酬プランが議題に上がった際の構図を変える。取締役会はそれを参考にしている」と述べた。

レドモンド氏によると、一方で従業員の賃金は人工知能(AI)の台頭と、全米労働関係委員会(NLRB)によって抑制されている。

こうした要因により、S&P500採用企業のCEOと従業員の平均報酬格差は昨年、マスク氏のテスラ報酬を除いて、24年の285対1から312対1に拡大した。マスク氏の報酬を含めると、昨年の格差は5387対1に達した。

特別報酬付与を開示した企業のうち、米金融大手ゴールドマン・サックスは昨年、デビッド・ソロモンCEOに大型の残留報酬を含む1億1890万ドルを支払った。

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