大統領令はしばしばトランプだけが乱発しているように報じられている。実際に、彼は極端なまでに合法性が疑わしいものも発出しているが、オバマやバイデンも大統領令への依存は目立っていた。

大統領令による政策展開は「単独行動主義大統領制(ユニラテラルな大統領制)」という新しい職務遂行の在り方として、今日多くの研究者やジャーナリストに注目されるようになっている。

それは「分極化の下の僅差」への対応としてやむを得ない面があるが、主導的役割を入れ替えながらも続いてきた大統領と連邦議会の協働による政策展開という、アメリカの政治制度と憲法秩序の根幹に関わる課題を伏在させていることも間違いない。

自らを君主になぞらえているとすら思われるトランプの行動や言動に、アメリカ民主主義の危機を感じる人は多いであろう。しかし、本当の危機は「分極化の下での僅差」がもたらす憲法秩序の空洞化であるのかもしれない。
 

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