ヘルクラネウムは、79年のベスビオ山噴火でポンペイとともに壊滅した古代ローマの都市だ。18世紀には、「パピルス荘」からは約1800点もの巻物やその断片が発掘されたが、猛烈な熱によって巻物は炭化し、開こうとすれば粉々になるため、内容を知る手段はほとんど存在しなかった。

その内容を知るために、2023年にはオープンサイエンス型の国際コンテスト「ベスビオ・チャレンジ」が開始され、炭化したパピルスを破壊せずに読む方法を、賞金を懸けて広く募集していた。

【動画】AIによって解読された、火山噴火で埋もれた古代都市のパピルス

そして現在、炭化したパピルスが人工知能(AI)の力によってついに本格的に読み解かれ始めている。

米ケンタッキー大学などによって、今回解読が進んだ巻物は「PHerc.1667」。高精細X線CTとAIを組み合わせた技術によって、約1.5メートル分のギリシャ語本文が判読された。

倫理や芸術、人間の行動について論じたストア派哲学の内容が含まれる可能性が高いとされる。一部では古代ギリシャの哲学者クリュシッポスなどとの関連も指摘されている。

この成果につき、イタリアのナポリ・フェデリコ2世大学のパピルス学者、フェデリカ・ニコラルディ博士は、「巻物全体が残っているわけではないが、現存する物体を紐解くことができた。これは非常に重要な成果だ。炭化したパピルスの内容を完全に読み解くことができたのだから」と、今回の発見を評価している。

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