ポーランド、米国、そして湾岸諸国から、富裕層がスペインの首都マドリードやコスタ・デル・ソルの不動産市場に押し寄せている。ウクライナや中東での戦争、米国の政治的混乱からの避難先を求め、高級物件を探す人々が増加している。
スペインの中でも地中海沿岸の地域は、古くから陽光を求める英国人やドイツ人をひきつけてきた。しかし近年は、資産を分散させてリスクを回避したい、より幅広い投資家層が流入していると6名の不動産仲介業者、欧州住宅市場アナリスト、不動産弁護士がロイターに語った。
不動産仲介会社ギルマーの国際部門責任者、レベカ・カバジェロ氏は「コスタ・デル・ソルに移住するウクライナ人やポーランド人も、スペインにやって来る米国人も、共通する理由は地政学的な状況だ」と話す。
政府の公式データもこの傾向を裏付けている。
昨年の不動産登記データによると、コスタ・デル・ソルのマラガ、コスタ・ブランカのアリカンテ、そしてバレアレス諸島など、主要なリゾート地における全住宅販売の39%超に外国人購入者が関わっていた。
スペインでは住宅問題が大きな政治テーマだ。外国人の不動産購入は価格高騰を後押ししており、スペイン中央銀行は政府に住宅供給の拡大政策を呼びかけている。
ウクライナ戦争でポーランド人の需要3倍に
欧州で最も急成長を遂げている国の一つ、ポーランドからのスペイン沿岸物件への投資は2020年ごろから始まっていたが、コロナ禍以降は3倍に増加。外国人全体によるスペインの物件購入に占めるポーランド人購入の割合は、19年の1.6%から昨年は4%に増えた。
不動産仲介会社の創設者、アグニエシュカ・マルシニアクコストシェバ氏は「最も強い引き合いがあったのはウクライナでの戦争勃発後だ。電話越しに購入を決めるほどの熱狂ぶりだった」と振り返る。