韓国半導体産業が好調な本当の原因

このような不安定な状況にもかかわらず、個人投資家が株式市場を目指す最大の理由は、韓国の株価が全体として大きく上昇しているからだ。とりわけこの1年間の上昇幅はKOSPIで175%以上、KOSDAQでも60%以上に達している。同じく市況の過熱が懸念されるTOPIXの上昇幅は40%台だから、いかに韓国の株式市場が上昇しているかが分かる。

韓国政府は株式上昇を政権運営の主要な成果の1つと位置付けており、李在明(イ・ジェミョン)大統領は自らの就任1周年記念の記者会見でもこれを強調した。国政全般での「実用主義」を標榜する同政権にとって、経済状況の改善は最も重視するところである。

しかしながら、このような李政権の姿勢は、今後の政権の運営に逆に大きな足かせとなりかねない。

韓国経済を牽引する半導体産業の好調は、世界的なAI需要に起因し、韓国の半導体産業自体の技術革新によるものではない。株価上昇も同様で、その上昇は基本的には新型コロナ禍の経済危機からの回復基調の延長線上にある。当初は出遅れていた韓国株式市場が半導体ブームと共に注目され、その遅れが一挙に回復される過程で、昨年からの株価急騰は生まれた。

そもそも李政権が誕生したのは、わずか1年前であり、その初めての予算が成立したのは昨年12月。当然ながら、その経済政策が直ちに効果を上げた結果として、現在の経済成長と株式市況急騰があるわけではない。

にもかかわらず、李政権はこれを自らの政策の成果であると強調する。だとすれば、彼らは株式市場が下落に転じたとき、当然それを政策の結果として責任を問われる。1年間に3倍近く株価が上昇するブームはやがて終わりを迎える。その時、李はその責任をどこに見いだすのだろうか。
 

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