攻撃を広げ過ぎたイスラエル
「われわれには強い国がある。現時点で存続が危機にあるわけではない。イランが核爆弾を手にすれば話は別だが、おそらく核実験は阻止できたと思う。だから、まだ選択肢はある」
「トランプが一時的とはいえ攻撃に加わってくれたのは幸運だった。われわれは時間を稼いだ。これからは、注目を集めにくい秘密工作に戻る必要がある」
戦争が始まって以降、イスラエル軍の戦線は大きく広がっている。実戦で地域最強の軍であることは疑いがないが、それでも過剰展開の兆しが見える。イスラエル軍は親イランのヒズボラ部隊に対抗するため、拠点となるレバノン南部深くまで進軍し、占領を続けている。
シリアの一部地域にも展開し、ガザ地区の多くも掌握し続けている。ガザでは、トランプが仲介したガザ停戦合意にもかかわらず、ハマスがなお影響力を保っている。
1967年の戦争でガザとともに占領したヨルダン川西岸でも軍事作戦が続き、過激なユダヤ人入植者集団が暴力の連鎖をあおっている。
ガザ、ヨルダン川西岸、時にはレバノンで散発的に生じる脅威に対し、敵勢力を定期的な軍事作戦で弱体化させるというイスラエルの伝統的な安全保障政策(通称「草刈り」)は、いまやイランやイエメンにまで広がっている。
課題は格段に大きくなり、民間人を含む犠牲者の数をめぐって国際的な怒りを招いている。
「イスラエルは、あまりに傲慢で過剰なアプローチを取ることで、自らを危険にさらしている。それにより、地域にとってますます消化できず、受け入れがたい存在になっている」。近年ますます見通しが暗くなっているイスラエル・パレスチナ和平を目指す米国中東プロジェクトのダニエル・レビはそう述べた。