イラン核計画に一定の打撃

2月28日にイスラエルが米国とともに始めた戦争が、イランの核開発計画を後退させたことは間違いない。トランプの合意も、しばらくはそれを抑制する可能性がある。だがイランは、イスラエルにとって重要な条件には同意しなかった。ミサイル戦力の削減と、イスラエル破壊を掲げて戦うヒズボラなどの代理勢力への支援停止だ。

トランプの合意はまた、イスラエルが弱体化を狙い、場合によっては退陣を望んでいたイラン支配層に、資金面での命綱を与えるようにも見える。いずれ彼らは、常に否定してきた核兵器開発の野心を復活させ、イスラエルが保有するとみられる核戦力に対抗し、地域の戦略バランスを変えようとする可能性がある。

トランプとネタニヤフの摩擦が強まるなか、米大統領はイスラエルが得たものに感謝すべきだとの考えを明確にし、大規模な破壊にもかかわらずヒズボラのドローン攻撃を止められていないイスラエルのレバノン作戦を批判した。

「私がいなければ、イスラエルは存在しなかった」。トランプは6月16日、フランスで開かれたG7サミットでそう述べた。「私が関与していなければ、イスラエルはとっくに吹き飛ばされていただろう」

イスラエルの存続は、建国の瞬間から脅かされてきた。建国直後には周辺のアラブ諸国から攻撃を受けた。その後も戦争は続き、2023年10月7日、イランが支援するパレスチナ武装勢力ハマスから越境攻撃を受け、現在の地域紛争に至った。

「敵はいる。深刻な国内問題もある。だが、われわれはバランスを保つべきで、ヒステリーに陥るべきではない」。エルサレム安全保障戦略研究所のエフライム・インバー所長は本誌にそう語った。

攻撃を広げ過ぎたイスラエル
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