「また頼みたい」と思われる人のレスポンス術

また、本書が強調するのが、レスポンスの速さをはじめとした、ビジネスの基本の徹底だ。発注者が仕事を依頼したのに、返信がなかなか来ない。これは受注者が思う以上に大きなストレスになる。

承諾でも断りでも、早く連絡をもらえれば発注者は次の手を打てる。しかし返信がなければ、現場が膠着する。「もしかして怒らせてしまったのか?」といった無駄な感情労働さえ発生する。早い返信は、ただのビジネスマナーではないのである。「この人は安心して任せられる」という印象を作り、自分の価値を上げる行動だ。

同様に、初回の打ち合わせで必要な情報を的確に聞き出し、後から何度も質問メールを飛ばさなくて済むように気遣いすることも重要だ。そうしておくことで、思いつくままに「あれはどうですか」「これはどうしますか」と矢継ぎ早に問い合わせるようなことはなくなる。きめ細かな確認作業は、たとえ受注者にとって善意であっても、発注者にとっては「手間がかかる人」と映っている可能性がある。

「今この連絡を入れたら、相手にどんな負担がかかるか」。その一瞬の思考が、長期的な信頼関係を築く土台になる。スキルより先に、この視点を持てるかどうかが、仕事が途切れないプロとそうでない人の分岐点なのかもしれない。

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上阪 徹(うえさか・とおる) 

ライター 1966年生まれ。早稲田大学商学部卒業後、ワールド、リクルート・グループなどを経て、94年、フリーランスライターとして独立。経営、金融、ベンチャーなどを主なテーマに、雑誌や書籍で執筆・インタビューを手がける。40万部のベストセラーとなったインタビュー集『プロ論。』シリーズをはじめ、携わった書籍の累計売上は250万部を超える。著者に代わって本を書くブックライターを名乗り、担当した書籍は100冊以上。『熱くなれ 稲盛和夫 魂の瞬間』『突き抜けろ 三木谷浩史と楽天、25年の軌跡』『佐藤可士和の打ち合わせ』『坂の上の坂』他。自著も50冊以上にのぼり『10倍速く書ける 超スピード文章術』『職業、ブックライター。』『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』などがある。主な寄稿媒体に「GOETHE」「週刊現代」「AERA」「現代ビジネス」「プレジデントオンライン」他。2014年には自ら主宰する「上阪徹のブックライター塾」、2025年には「上阪徹のプロ・ライター養成講座」を開講。後進の育成にも力を入れている。

「また頼みたい」と言われる人がやっていることPOP

「また頼みたい」と言われる人がやっていること書影
『「また頼みたい」と言われる人がやっていること』
上阪 徹[著]
CEメディアハウス[刊]
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