日本はサッカーでも「いい人」すぎる
日本サッカーの面白い特徴の1つは、清水、鹿島、柏のようなチームが脚光を浴びる瞬間があることだ。その本拠地は、チームが生まれるまではどこにあるのか知られていなかったような町である。一方で世界的に見て成功しているクラブは、大都市を本拠地とするところがさらに増えている。ロンドン、パリ、ミュンヘン、バルセロナ、ミラノ……。
日本の試合には大きな強みを感じることもあれば、弱みが見えることもある。その両方が同じところに見えてしまうこともある。
規律の面で日本は模範的だ。18年のW杯ロシア大会で日本がグループステージを突破できたのも、そのおかげだ。同じ成績で並んだセネガルより「フェアプレーポイント」で上回ったためだった。
とはいえ、日本は少し「いい人」すぎるのかもしれない。「ダークアーツ(ずる賢い駆け引き)」を巧みに使えば、試合の流れは変えられる。
イギリスには「リデューサー」という言葉がある。相手の勢いをそぐ荒っぽいタックルのことだ。「アグリカルチュラル(農業的)」、つまり作物を刈り倒すようなプレーとも言われる。不器用なDFでも強烈なタックルを見舞えば、うまいドリブラーを自分と同じレベルに「リデュース(引き下げ)」できる。
次のページ