米マウントサイナイ医科大学の山田悠史医師
米マウントサイナイ医科大学の山田悠史医師(本人提供)

──目の検査も気になっています。視力と眼圧は測っていますが、それで十分でしょうか?

40代からは「眼底検査(目の裏側を見る検査)」も大切です。緑内障は眼圧が正常でも起こることが多く、日本人は特にそのタイプが多い。視力・眼圧にくわえて眼底を見ることでリスクを拾えます。これは将来の視力だけでなく、認知症リスクにも関係するポイントです。

耳はたとえるなら「消耗品」…認知症の最大45%は「選択」で防げる可能性

──認知症にはアルツハイマー型など色々な種類がありますが、やはり完全に治すのは難しい病気なのですね。予防のために効果がある習慣を教えていただけますか。

2024年に『The Lancet』という医学誌が、認知症予防の最新レビューを出しています。そこでは、認知症の最大45%までは私たちの選択で防げるとされている。どんな選択が重要かというと、運動、視覚や聴覚のケア、大気汚染への対策、社会的つながりなどです。前著『認知症になる人 ならない人』に詳しく書きましたが、体と脳を同時に守る行動の積み重ねがカギになります。

──「家の中の換気が認知症の予防においても大事」という話は衝撃でした。

実は室内のほうがはるかに空気が汚れていることが多いのです。特に揚げ物をした後は、PM2.5(目に見えない微粒子)の濃度が、山火事で外が真っ白な日より高くなることもあります。室内は容積が限られているので、PM2.5の濃度が急激に上がるんですね。換気扇だけでなく、窓を開けて外気と入れ替えないといけません。

実はガスコンロでの調理による大気汚染は、認知症のほかにもリスクがある可能性があります。現時点で、若い女性の非喫煙者の肺がんが増えていることとも関連している可能性が指摘されているのです。

なぜ、20代・30代の大腸がんが世界的に増えているのか?
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