<増税は経済を活性化させるどころか、国の活力を奪ってしまうようだ>
[ロンドン発]2025年12月までの1年間に推定24万6000人(前年より1万1000人減)が英国を離れた。長期滞在を目的とする英国への移住者も24年の14万人から11万人に減少、流出数が流入数を約13万6000人上回ったと国家統計局(ONS)が5月21日に発表した。
21年6月まで溯って国際旅客調査ではなく労働年金省の記録で統計を見直したところ、流入数から流出数を差し引いた純移民数はずっとマイナスで、今回その差が最も大きかったことが分かった。欧州連合(EU)離脱の主因だった純移民増は完全に「過去の話」となった。
昨年、16~34歳の若年層では流入数より流出数が約7万5000人多かった。海外で働くために移住した英国の若年層がより長く滞在しているか、海外留学した学生が就職のためその後も滞在している可能性がうかがえる。こうした若年層が流出数の約3分の2を占めるという。
過去1年に英国に移住した外国籍の長者は駐英米国大使だけ
英高級日曜紙サンデー・タイムズの長者番付26年版(5月15日付)によると、英国で最も裕福な個人とその家族計350人の総資産は7840億ポンド(約167兆7200億円、前年比1.4%増)に達し、英国の国内総生産(GDP)の4分の1に相当する。
このうちビリオネアは157人で昨年より1人多かったものの、ピーク時の4年前より20人少なくなった。長者350人のうち111人は英国本土に居住しておらず、昨年リスト入りした外国籍者のうち15人が居住地を変えたため、リストから削除された。富裕層の海外流出が続く。
過去1年間に英国に移住してきた外国籍の長者は駐英米国大使1人だけ。米紙ウォールストリート・ジャーナルの社説(5月22日付)は「英国VSラッファー曲線」と題して「高税率が英国人の海外移住を加速させ、税収を減少させている」と論じている。